新工法以外では、暮らしの中で心身を整える「ウェルビーイングデザイン」にも配慮した。ウェルビーイングとは、精神的、身体的、社会的に「良い(well)状態(being)」を指す用語。近年の建築分野では省エネや環境性能だけでなく、建物を利用する人の健康性や快適性を高めることも、空間価値の一つとして重視されている。住宅でも、日々の暮らしの中で心身を整える設計が、住まいの質を左右する要素になりつつある。
モデルハウスでは、木が持つ本来の質感を建物全体に生かした空間設計を採用。さらに、MOCX WALL工法によって実現した2方向持ち出しバルコニーなど、屋外とのつながりを重視した動線計画を取り入れ、室内にいながら外部環境を身近に感じられるようにした。
日常生活の中で自然光や風、木の質感に触れやすい環境を整えることで、居住者が心身をリフレッシュできる住まいを目指した。建築技術や空間設計を「単に意匠性や機能性を高めるための手段」としてではなく、「健康維持や持続的な幸福感、すなわちウェルビーイングに資する要素」として位置付けている。
近年の脱炭素に向けた社会要請も考慮し、モデルハウスでは循環資源としての「木」の活用を前面に打ち出している。そもそも今回のモデルハウスは、三井ホームのサステナビリティブランド「&EARTH with WOOD」の考え方に基づいて開発された。三井不動産グループは「共生・共有」「多様な価値観の連繋(れんけい)」の理念のもと、環境コミュニケーションワードとして「&EARTH」を掲げている。その理念に準じ、木造建築物の普及を通じて、脱炭素社会の実現に貢献するために立ち上げられたサステナビリティブランドが&EARTH with WOODだ。
日本のCO2排出量のうち、建築関連は全産業の約3分の1を占めるとされる。そのため、建築分野のCO2排出量をいかに削減するかは、脱炭素社会の実現に向けた重要な課題になっている。
その中で、三井ホームが注目するのが、再生可能な循環資源の「木」だ。住宅建設時のCO2排出量を比べると、木造は鉄筋コンクリート造の約2分の1になると試算する。さらに、木は炭素貯蔵効果も有する。木を最新の建築技術で最大限に活用することで、地球温暖化という社会課題の解決に寄与する考えだ。
今回のモデルハウスは、「つなぐ―これからの邸宅」という開発ビジョンに従い、MOCX WALL工法による大空間/大開口、木の質感や外部とのつながりを生かしたウェルビーイングデザイン、木造建築物の普及を通じた脱炭素社会への貢献という3つの特徴を通じて、三井ホームが考えるこれからの邸宅像を示した。
ツーバイフォー工法のリーディングカンパニーとして、木とともに培ってきた建築技術を強みに、戸建て住宅にとどまらず、共同住宅や文教施設、福祉施設などの中大規模木造建築にも取り組む三井ホーム。駒沢公園内に誕生した新しいモデルハウスは、そうした木造技術の蓄積を都市部の住環境に展開し、次世代の木造住宅の可能性を示す拠点となっている。
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