大成建設は、三井物産、ドイツのPCM RAILONEと共同で、環境配慮コンクリート「T-eConcrete」を用いた鉄道用コンクリート枕木の試作に成功した。従来製品比で製造時のCO2排出量を最大90%削減できる。
大成建設は2026年5月11日、環境配慮コンクリート「T-eConcrete」の用途拡大と海外展開を目的に、三井物産、ドイツのコンクリート枕木メーカーPCM RAILONE と共同で、T-eConcreteを使用した鉄道用枕木の試作に成功したと発表した。
試作した枕木は、従来製品で使用するセメントの大部分を製鉄副産物の高炉スラグに置き換えた他、CO2を吸収した炭酸カルシウムを練り混ぜることで、コンクリート内部にCO2を固定。従来のコンクリート枕木と比較して製造時のCO2排出量を80〜90%削減した。また、高炉スラグの活用により、産業副産物の有効利用や資源循環にも寄与する。
T-eConcrete製枕木の海外展開に向けては、現地材料の活用が重要となる。今回の試作では、欧州で調達可能なセメント、高炉スラグ、骨材、化学混和剤などを用いてコンクリートの配合設計を行った。枕木製造に必要なコンクリートの流動性と早期強度発現性を発揮させることで、現地での試作を実現した。
また、材齢1日で45N/mm2以上、材齢7日で50N/mm2以上の強度を発現することを確認した。プレキャストコンクリート製品の製造工程で強度発現を促進させるために行う蒸気養生が不要になり、蒸気発生に伴うエネルギーの削減にもつながるとしている。
事業では、大成建設がT-eConcrete技術に基づく材料選定や配合設計を担当し、三井物産が海外市場でのマーケティングや資材調達を担う。PCM RAILONE AGは、欧州におけるコンクリート枕木の製造/品質管理技術を開発し、海外工場での生産を進める。
欧州では鉄道用コンクリート枕木が年間数十万〜百万本規模で生産されている。一方で、低炭素型コンクリート枕木の普及は限定的で、国内では製品化事例がないという。3社は欧州での低炭素型枕木の実装に向け、T-eConcreteを使用した鉄道用コンクリート枕木の製造/開発を推進し、性能確認試験を進めている。
今後、欧州をはじめ各国の規格や需要に応じたT-eConcrete製コンクリート製品の開発/製造による普及展開を進め、多様な分野でのCO2排出量削減を目指す。
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