三谷産業は、クアンドが開発した建設現場の検査業務サポートアプリの実証実験に参画した。経験豊富な技術者の判断基準や注意点を整理し、アプリや検査チェックリストに分かりやすく反映させたことで、検査時間が従来比で3分の2まで短縮できたという。
空調設備工事も手掛ける複合商社の三谷産業は、クアンドと協業の下、クアンドが開発した建設現場の検査業務のサポートに特化したアプリケーション「SynQ Inspection Platform(シンク インスペション プラットフォーム)」の実証実験に参画したと明らかにした。
空調設備工事などの分野で建設業に携わる三谷産業は、給排水衛生設備の設計・施工管理で積極的にITを活用してきたという。こうした取り組みの一環で、デジタルトランスフォーメーション事業を展開するスタートアップ企業のクアンドと協業し、生産性向上を目指して検査業務の効率化にも取り組んでいる。
今回、受注案件で約1000戸の住戸を対象に、完成検査を実施するにあたり、検査精度の向上と検査時間の短縮を目的に、クアンドが開発した建設現場向け検査業務効率化アプリとなるSynQ Inspection Platformの実証実験に参画した。
SynQ Inspection Platformは、経験豊富な技術者の知見に基づくノウハウを整理し、言葉と図で明確化したうえでアプリや検査チェックリストに反映させることで、現場での検査精度向上と作業効率化が実現する。
キャリアや経験に依存せず、誰でも一定水準の検査が可能となるように、「OK/NG/判断不可」の選択方式を取り入れている。アプリ内には、全ての検査項目の結果や問題点を集約/蓄積できるため、関係者間での情報共有が可能になる。
導入効果としては、検査時間を従来比で約3分の2まで短縮できた。また、熟練技術者が保有する知見やノウハウをデータとして整理し、可視化することで、属人的になりがちな技術の体系化が進み、経験の浅い社員であっても一定水準の品質を担保した検査を実施できる体制が整備され、組織全体の検査品質や業務効率の向上につながった。
施工現場の検査業務は、設備の完成度を確認する重要な工程にも関わらず、現状では熟練技術者による長年の経験や高度な判断力に大きく依存するケースが少なくない。検査を正確に実施するには、複数の熟練技術者が長時間にわたって現場を確認する必要があり、同行する現場スタッフの負担も大きなものになっている。さらに、検査ごとの記録作成や是正指示や是正確認のためのやり取りなども必要になるため、非効率な検査体制が全体の業務効率を圧迫し、負荷の増大を招くという構造的な課題を抱えていた。
検査業務の効率化は、単なる業務の改善にとどまらず、人材不足の緩和や長時間労働の是正、さらには技術継承の仕組み作りにもつながるなど、建設業界全体の課題解決に寄与する重要な取り組みとして期待されている。
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