工事現場では施工箇所の確認や修正指示が頻繁に行われる。クアンドの建設業をメインターゲットにしたビデオ通話ツール「SynQ Remote」は、ITにアレルギーがある職人やアプリ操作に煩わしさを感じるベテラン作業員でも、直感的にスマホやタブレットから伝達や新人への指示出しなどができる。
クアンドは、「第9回 JAPAN BUILD TOKYO−建築の先端技術展−」(会期:2024年12月11〜13日、東京ビッグサイト)で、「SynQ Remote(シンク リモート)」を紹介した。
遠隔コミュニケーションツールは、SynQ Remote以外にも、さまざまなサービスやソリューションが販売されている。SynQ Remoteが大きく違うのは、建設業で使うことを前提にしていることだ。工事現場で使いやすいポインタやチャット、アプリ要らずのQRコードからの参加などの多くの機能を搭載し、業務効率化と技術承継が実現する。
SynQ Remoteは、現場作業員が所有するスマートフォンを使って、ビデオ通話ができるコミュニケーションツール。建設業の現場で便利な機能が複数搭載されているおり、中でも特筆すべきなのが、画面上に特定の場所を示すポインタを表示したり、手書き入力による印や文字などが入力したりできる機能だ。
スマホで映した画像を複数の関係者がリアルタイムで共有しながら、互いに通話できる。会話に参加している人が共有画面上にポインタを表示して示すことで、指摘事項などの押さえておくべきポイントを的確に伝えられる。
現場にスマホを持った新人がいて事務所にベテランがいる場合は、画面共有とポインタ機能を使うと、現場の新人に対して機器や設備などの操作方法を教えらえる。
ポインタは、通話中のカメラ映像に触れるだけで現れ、通話中の全てのメンバーにリアルタイムで表示される。誰がどのポインタを操作しているのかは、アイコン横に表示される名前や表示の色で分かる。
SynQ Remoteの画面をリアルタイムで共有できるツールがなかった時代は、ベテランと新人がペアになって現場に出向き、現場の機器や設備の操作法や暗黙知のノウハウを手取り足取り教えていた。SynQ Remoteがあれば、ベテランが全ての現場に行く必要はなくなる。新人が現場で操作や対処に迷ったときにSynQ Remoteで連絡すれば、事務所などにいるベテランが画像共有によって状況を判断し、操作すべきスイッチやバルブなどを画面上で指示できる。
音声だけの「あれ、これ、それ」といった曖昧な言葉ではなく、操作すべき対象がポインタで示されるのは、現場の新人にとっても安心感につながる。
SynQ Remoteで撮影した静止画(写真)や動画は、自動的にクラウド上に保存され、会話終了後にダウンロード可能だ。作業の振り返りや指示が的確かの検証、言った言わないの証拠を残すことにも役立つ。また、作業手順を録画すれば。現場に初めて入る作業員や新人などの教育にも使える。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.