ただしARESは汎用CADのため、土木分野で求められる専用機能が不足しがちだ。そこでキーノスロジックは、ギャップを埋めるアドオンソフトとしてJ-CIVILを開発し、2024年にリリースした。担当者は「日本の土木分野には独特の考え方があり、海外ベンダーでは対応が難しい。当社には、土木現場を3Dで見える化する知見や測量のノウハウがある。測量連携や3D対応まで含め、現場で扱いやすい形で提供できると判断して開発に着手した」と話す。
開発方針は「本当に使う機能だけを、できるだけ簡単に」。既存の土木CADは網羅的だが「機能が多すぎて、結局ほとんど使っていない」という声もある。そこで、ゼネコンから中小企業、県庁、国土交通省に至るまで約90社にヒアリングを実施し、必要な機能に絞り込み、ワンクリックで完結する操作性を重視した。
簡便さを追求した背景には採用難や若手不足もある。今後は女性も含めてCADオペレーターを増やす必要があるが、その際に障壁となりやすいのが「CADは難しい」という先入観だ。そのため、操作をできるだけ平易にし、現場とのやり取りにも使いながら技術継承にもつなげることを狙った。
J-CIVILは2D/3DのCADデータに、地理院地図の衛星写真やマップデータを重ね合わせ、地形や構造物の状況を直感的に確認できる。図面の「現場感」を高め、打ち合わせや協議をスムーズに進めやすい。
加えて、図面上の任意点から座標を取得してSIMA形式で出力できる座標登録機能、測量データを正確に配置するプロット機能も搭載する。現場での位置出しや測量データの可視化を支援し、実務での使い勝手を高めている。
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