ジョンソンコントロールズは2025年度、データセンターなどの高需要分野が成長をけん引し、売上高、利益ともに過去最高を更新した。2026年度の事業戦略として、「脱炭素化」「AIエコノミーへの貢献」「ミッションクリティカルな環境の安定稼働/効率化支援」の3本柱を掲げ、重点分野への投資と組織改革を通じて持続的成長を目指す。2025年度の振り返りと2026年度の事業戦略について、代表取締役社長 松下太郎氏が語った。
ジョンソンコントロールズは2025年度(2024年10月〜2025年9月)、買収などを含まないオーガニック成長率がグローバルで約6%を達成。年間受注額は7%増加し、株価は最高値を更新した。
日本事業でも売上/利益ともに2桁成長を実現し、過去最高を更新。ジョンソンコントロールズ 代表取締役社長 松下太郎氏は「過去10年間で売上、利益ともに約2倍に成長した。特にデータセンター分野は、他のセグメントと比べて高い成長率を達成している。多国籍企業としての強みを生かし、グローバル企業との関係性を強化することで、日本におけるデータセンター事業の成長につなげてきた」と話した。
松下氏は2025年2月にジョンソンコントロールズへ入社し、2025年4月に前任の吉田浩氏から代表取締役社長を引き継いだ。松下氏は「入社して間もなく1年が経過するが、従業員一人一人の熱意や技術力が高く、企業としての大いなる可能性を感じている。非常に良い状態で会社を継承した一方で、責任の重大さも実感している」と述べた。今後はデータセンターや工場など高需要分野へ注力すると共に、デジタル技術の活用や人手不足への対応といった取り組みを進める。
米本社でも2025年3月に最高経営責任者(CEO)が交代し、新たにヨアキム・ワイデマニス氏が就任。松下氏は「グローバルミーティングでは、新CEOが自ら会社を変えていくという熱意と姿勢を示した。日本でもその流れに乗り大きな変革を成し遂げていきたい」と強調した。
グローバルでは2025年9月、データセンター向けの液冷分野で「Silent-Aireクーラント・ディストリビューション・ユニットプラットフォーム」を発売するなど、効率的な液冷ソリューションへの戦略的な投資を進めた。スイス チューリッヒでは欧州最大級のヒートポンププロジェクトに参加し、ゼロGWP冷媒を用いて環境負荷の低い熱エネルギーを約1万5000世帯に供給している。
日本事業では2025年1月、デジタル診断とオンサイトでの実機点検を組み合わせた「デジタルハイブリッド定期メンテナンスサービス」を発表。従来はメンテナンスサービス訪問時しか点検できなかった天井空調内設備や制限区域内の機器を遠隔で継続的に監視し、稼働状況や不具合の兆候を把握した上で効率的に実機点検を行えるサービスで、トラブルの未然防止や修繕計画の最適化、施設の安定稼働を支援する。病院やホテルを中心に高い評価を得ており、契約数も順調に増加しているという。
さらに、2025年9月には、中央監視サーバをクラウド化したサブスクリプションサービス「Managed Metasys Server(MMS)」の提供を開始した。第1弾として、北電産業が保有する富山県富山市の複合ビル「アーバンプレイス」で導入された。MMSへ移行することで、ジョンソンコントロールズのリモートオペレーションセンターから建物を一元管理でき、施設管理の効率化が図れる。
「MMSはクラウドのため、オンプレミス型が抱えるデータセキュリティやサーバダウン時のリスクを低減できる。将来は建物の群管理も視野に入れている。顧客にとって使いやすく安全なサービスであると同時に、当社の人材リソースにもつながる技術だ」と松下氏は語り、今後5年以内に中央監視システムの国内出荷数の半数をMMSとすることを目標に営業展開する考えを示した。
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