2つ目の新機能が、点群と写真の重畳表示だ。地上レーザースキャナーなどで取得した点群に撮影した写真を重ねて表示することで、実写に近い高精細な現場データを確認できる。位置情報が付加されたE57形式のファイルを読み込むことで、正確な座標に基づいた重ね合わせが可能だ。維持管理や点検、計測、トレースなどの作業を視覚的に支援する。
担当者は「道路上の白線の角など、点群だけでは再現が難しかった細部も写真をベースに確認できるので、トレース作業が簡単になり作業の効率が格段に上がる」と説明する。
3DGSと点群と写真の重畳は、いずれも高精細な3D表示を実現するが、用途や対象ユーザー、使用フォーマットが異なる。
3DGSは、ハンディスキャナーやスマホ、写真/動画から生成したデータを、自由視点で確認できる。主なフォーマットはPLYで、主に3Dの新規導入を検討しているユーザーや、先進的な技術を積極に取り入れたい層がターゲットだ。
一方、点群と写真の重畳は、地上型/車載型/ハンディスキャナーで取得したE57形式のデータを活用し、撮影位置からの視点で実写的に表示する。既に地上型レーザースキャナー(TLS)を所有しているユーザーであれば、新たな設備投資なく導入できる点が特徴だ。
出来形管理の新機能として、出来形ヒートマップをARデバイスに出力する機能を追加。タブレット端末上にヒートマップを投影し、その場で実測と計画の差異を、色と数値で直観的に確認できる。新機能は、国土交通省の「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」における「デジタル技術(AR等)を用いた出来形立会確認」に対応し、効率的な現場管理を後押しする。
今回の新機能は2025年秋頃のリリースを予定しており、一部はオプション機能となる可能性もあるという。
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