「建設DXは約5割が初期段階。人材不足が最大の障壁に」Arentが実態を調査調査レポート(1/2 ページ)

Arentは、建設DXに関する実態を調査した。調査結果によると、建設DXの実施状況は5割以上が「実施中」と回答。最も多い取り組み内容は4割弱が「BIM活用」で、DXを阻む課題となっているのは「人材不足」「技術的な課題」「ノウハウがない」が挙がった。

» 2025年03月06日 09時00分 公開
[BUILT]

 Arentは2024年7月〜2024年12月の期間、建設業界でのDXの実態に関するアンケートを建設業界従事者を対象に、主催セミナーなどのイベントで実施し、299件の有効回答を得た。

 調査結果によると、建設DXの推進は多くの企業で初期段階にあり、人材不足やデータ管理の課題が障壁となっていることが判明。DXの実施目的では、効率化を重視する一方、革新を目指す動きが限定的なことも浮き彫りになった。

建設DXは、まだ多くの企業で進行中の段階

 DXの実施状況は、回答者の約56.5%が「実施中」と回答し、全体の半数以上を占めた。「実施済み」と回答した企業は2.7%しかなく、DX推進がまだ多くの企業で進行中にあると分かった。「検討中/計画中」の回答は15.8%で、今後DXの導入に向けた動きが進む可能性が高いことが示唆されている。

DXの実施状況 DXの実施状況 出典:Arentプレスリリース

 DX実施の目的として、最も多かった回答は「コスト削減/業務効率化」で39.2%。「顧客や市場の変化への対応」は16.8%、「データ分析」は13.6%と続き、効率化が主な目的となっている。

 前回調査では、コスト削減/業務効率化は30%で、約9.2ポイント上昇。顧客や市場の変化への対応は、前回19%から今回16.8%に減少している。

DX実施目的 DX実施目的 出典:Arentプレスリリース

 DX推進の内容では、最も多い取り組みは「BIM活用」で38.2%。次いで「新しいシステム/ツールの導入」が26.5%、「AI活用」が21.9%。一方、「老朽化した既存システムの切り替え」は9.4%、「外部への委託」は4.0%にとどまった。デジタルツールや技術の導入が進んでいるが、外部リソースへの依存は比較的低いことがうかがえる。

 前回調査では、BIM活用は全体の31%で、今回の調査では約7.2ポイント上がっているため、業界全体で引き続き注目される取り組みだといえる。

どのようなDX推進を行っているか? どのようなDX推進を行っているか? 出典:Arentプレスリリース
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