隈研吾建築都市設計事務所でも採用 ブラザー工業の建築設計向け手書きノート共有アプリ第9回 JAPAN BUILD TOKYO(1/2 ページ)

ブラザー工業が開発した手書きノート共有アプリ「BuddyBoard」は、離れた場所からでもリアルタイムで図面を共同編集できる機能を備える。設計段階からのスムーズな情報共有を実現し、従来のアナログな作業方法と比較して作業時間を70%削減する。効率性と創造性の両面で建設DXを支えるサービスとして、活用範囲は今後さらに広がることが期待されている。

» 2025年03月04日 07時17分 公開
[加藤泰朗BUILT]

 ファクスから、プリンタ、ミシン、電子文具まで、多種多様な電子機器を製造・販売するブラザー工業は、「第9回 JAPAN BUILD TOKYO−建築の先端技術展−」(会期:2024年12月11〜13日、東京ビッグサイト)で、手書きノート共有アプリ「BuddyBoard」の体験デモを展開した。

設計プロセスに着目した現場コミュニケーションツール

ブラザー工業の展示ブース ブラザー工業の展示ブース 写真は全て筆者撮影

 BuddyBoardは、アプリ上のノート(PDFデータ)に手書きメモを加えると、その内容を遠隔地とリアルタイムで共有できるiPad向けのサービス。シンプルで直感的な操作性が評価され、2021年2月15日の発売以来、大手ゼネコン、デベロッパー、設計事務所(意匠・構造・設備)などで広く活用されている。

隈研吾建築都市設計事務所でも、設計の打ち合わせにBuddyBoardを活用している 隈研吾建築都市設計事務所でも、設計の打ち合わせにBuddyBoardを活用している 写真は全て筆者撮影

 市場には、建設業務の効率化を促進するコミュニケーションツールが多数存在するが、BuddyBoardは「設計する」という側面に焦点を当てて開発された点で独自性がある。

 ブース担当者は、開発意図を「建設業界で使用されるコミュニケーションツールは、施工に関わる情報共有を強みとするものが主流だ。しかし、その前段階である設計の場面でも、関係者間の意図のすり合わせや情報共有が難しく、手間がかかるなど、コミュニケーションの課題が指摘されていた。そこでBuddyBoardは、設計やデザインのプロセスでの情報交換をいかにスムーズにするかという視点で開発を進めてきた」と説明する。

直感的な操作で実現するリアルタイム共同作業

 BuddyBoardの最大の特徴は、リアルタイム手書き共同編集機能だ。クラウドにアップされた図面データを編集すると、書き込んだ内容が瞬時に相手の画面にも反映される。離れた場所にいる複数の作業者と、まるで一つの図面を前に対面しているような感覚で作業を進められる。

タッチペンを使って、紙のノートに手書きするような感覚でPDFデータにメモを書き込める タッチペンを使って、紙のノートに手書きするような感覚でPDFデータにメモを書き込める
書き込んだ内容は、関係者の画面(写真上のブラウザ画面)にリアルタイムで反映 書き込んだ内容は、関係者の画面(写真上のブラウザ画面)にリアルタイムで反映
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