ブラザー工業が開発した手書きノート共有アプリ「BuddyBoard」は、離れた場所からでもリアルタイムで図面を共同編集できる機能を備える。設計段階からのスムーズな情報共有を実現し、従来のアナログな作業方法と比較して作業時間を70%削減する。効率性と創造性の両面で建設DXを支えるサービスとして、活用範囲は今後さらに広がることが期待されている。
ファクスから、プリンタ、ミシン、電子文具まで、多種多様な電子機器を製造・販売するブラザー工業は、「第9回 JAPAN BUILD TOKYO−建築の先端技術展−」(会期:2024年12月11〜13日、東京ビッグサイト)で、手書きノート共有アプリ「BuddyBoard」の体験デモを展開した。
BuddyBoardは、アプリ上のノート(PDFデータ)に手書きメモを加えると、その内容を遠隔地とリアルタイムで共有できるiPad向けのサービス。シンプルで直感的な操作性が評価され、2021年2月15日の発売以来、大手ゼネコン、デベロッパー、設計事務所(意匠・構造・設備)などで広く活用されている。
市場には、建設業務の効率化を促進するコミュニケーションツールが多数存在するが、BuddyBoardは「設計する」という側面に焦点を当てて開発された点で独自性がある。
ブース担当者は、開発意図を「建設業界で使用されるコミュニケーションツールは、施工に関わる情報共有を強みとするものが主流だ。しかし、その前段階である設計の場面でも、関係者間の意図のすり合わせや情報共有が難しく、手間がかかるなど、コミュニケーションの課題が指摘されていた。そこでBuddyBoardは、設計やデザインのプロセスでの情報交換をいかにスムーズにするかという視点で開発を進めてきた」と説明する。
BuddyBoardの最大の特徴は、リアルタイム手書き共同編集機能だ。クラウドにアップされた図面データを編集すると、書き込んだ内容が瞬時に相手の画面にも反映される。離れた場所にいる複数の作業者と、まるで一つの図面を前に対面しているような感覚で作業を進められる。
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