東京都渋谷区恵比寿で、解体予定のマンション全体をアーティストに開放した20日間にわたるアートイベントが開催中だ。共用部は映画「ジョーカー」の背景美術を担当したAMANDA HAGY氏が装飾し、各部屋は日本のサブカルチャーへのオマージュなどそれぞれが異なる没入型アート空間に変貌する。
東京建物と屋外広告業のエフ広芸は、東京建物が東京都渋谷区恵比寿西2丁目に保有する解体予定の賃貸マンション「セゾン代官山」を一棟全体活用し、没入型アートイベント「アートゴールデン街 by NoxGallery x Superchief x Brillia」を2025年1月9日に開幕した。会期は1月28日まで。
物件は東京のカルチャーシーンの中心地「渋谷」「恵比寿」「代官山」の中間点に位置する10階建ての賃貸マンションで、老朽化のために2025年2月に解体が予定されている。 1〜2階をデジタルアートギャラリーとし、没入型のオーディオビジュアルアートショーやイベントを開く他、時間の流れの中で変化していく新しいアートの潮流「ダイナミック・アート」でる“デジタルアートのある日常空間”を体験できる。
3階以上の住居区画50戸は、アーティストによる表現の場として一棟全体を開放し、内装のペイント、デジタルサイネージ、プロジェクターなどさまざまな技法を用い、それぞれが異なる魅力の詰まったアート空間に様変わりさせる。最先端のアートや音楽、テクノロジーを東京から世界へ発信することを目的としたアートイベントを催す。
エントランスなどの共用部分は、「JOKER」や「WEST SIDE STORY」など数多くのハリウッド映画の背景美術を担当したシーニックアーティスト(背景美術家)のAMANDA HAGY氏が全面プロデュース。サイバーパンクやデコトラなどフロアごとに異なるテーマで装飾を施す。
チケットは全期間パス前売りが5000円、任意1日パス前売りが2000円(大学生、中高生割引アリ)。1月9〜10日は完全招待制のため、一般の来場は不可。
イベント名の「アートゴールデン街」は、芸術家、作家、映画監督などクリエイティブな個人が集まる文化拠点の「新宿ゴールデン街」から名付けられている。NOX Galleryは、屋外広告制作で40年の歴史を持つエフ広芸の事業で、IRL(現実世界の)NFTギャラリーとして2022年に渋谷区富ケ谷にオープン。NFTアートを映像演出に取り入れた音楽イベントや展示イベントなどを通して、1000以上のアーティストやプロジェクトを支援している。
Superchief Galleryは、2012年にニューヨーク・ブルックリンで設立したNFTギャラリー。2021年にIRL(現実世界の)NFTギャラリー「Superchief Gallery NFT」をニューヨークにオープンし、以来Christie’s初のCryptoPunkオークションやOpensea、UNICEF、NFT/LAなどのIRL NFTイベントを手掛けてきた。
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