LiLzは、沖縄科学技術大学院大学や琉球大学出身の研究者やエンジニアが集結し、2017年に沖縄のITベンチャーからのカーブアウトという形で創業したAIスタートアップ企業。「機械学習とIoTの技術融合で、現場の仕事をラクにする」をミッションとし、高砂熱学工業と共同で、バッテリー駆動だけで3年間稼働するIoTカメラと計器の値を機械学習で解析するクラウドサービス「LiLz Gauge」を開発した。
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Lilz(リルズ)のセールスマネジャー 栗本雄介氏は、「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2024」(会期:2024年7月24〜26日、東京ビッグサイト)の出展者セミナーで、「手軽に時間と心に余白が生まれる。即日導入できるリモートIoT/点検サービスについて」と題し、IoTカメラとAIの点検ソリューション「LiLz Gauge(リルズゲージ)」の機能や導入事例などを紹介した。
LiLz Gaugeは、IoT技術で遠隔地にあるアナログ計器を読み取れるサービス。読み取った計器の表示は、デジタルデータで保存し、Excel出力やデジタル帳票の作成ができる。外部のシステムと連携し、より高度な処理を行うことも可能だ。
講演では、LiLz Gaugeに加え、防爆エリア用IoTカメラ「LC-EX10」とサーモグラフィーカメラ「LC-T10」も紹介した。
日本では、高度経済成長の時期に稼働を始めた多くのプラントが築50年超えつつある。バブル期に作られた中小ビルも築30年を迎え、電気設備の耐用年数を超えた水処理施設も増加しており、こうした建物や施設の予防保全が重要となっている。一方で、予防保全を担う現場では、生産年齢人口の減少や高齢化で人材不足に陥っており、足りない人材の中でどう数多の建物やインフラ施設の老朽化に対応するかが急務となっている。
予防保全は、施設の稼働状況を継続してモニタリングすることが欠かせない。プラントや工場では、1日に数回は施設内に設置されている計器類の数値を確認し、記録しているが、こうした巡回点検は思いのほか重労働となっている。
工場にもよるが、数十年も稼働している工場では、事務所から砂利道を15分以上歩かないとたどり着けないなど、日常的な計器の確認を考慮していないことが多い。鉄の重いハッチを開けて地下へ続く鉄階段を降りた暗く湿った場所に計器があることもあり、1日に数回降りるのは決して楽しい仕事ではないだろう。
LiLz Gaugeは、1日に何度も繰り返すのが負担となる計器の読み取りをIoTカメラとクラウドサービスで自動化する。専用IoTカメラの「LiLz Cam(リルズカム)」で計器を読み取り、クラウド上で画像認識し、そこに表示された数値をデジタルで読み取る。
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