スマートセキュリティで注目すべきなのは、実運用を想定した機能となっている点だ。清掃や配達、訪問介護のスタッフといった定期的に訪れる人や不定期に遊びに来る友人なども登録できる。
登録は、来訪の日時を入力すると解錠用のURLが発行。来訪者はURLから、入館に必要なワンタイム認証を行う。なりすましなどに対するセキュリティ確保では、認証で来訪者ごとにGPSの位置情報やワンタイム認証の状態を居住者側でチェック可能だ。
大規模ビルはビル内に管理室があり、フィジカルセキュリティ対応のスタッフが常駐している。だが中小ビルでは、管理人が24時間常駐するタイプのセキュリティ確保は難しい。そうしたケースで有効なのが、遠隔でビル内を監視できる「スマートモニタリング」だ。
スマートモニタリングは、ビル内に設置された複数台のカメラ映像を統合管理し、カメラ映像はPCやスマホで閲覧できる。カメラ映像はクラウド上に記録するため、何か異変が起きても現地に駆け付ける前に確認が可能だ。
モニタリングする場所はビル内に限らず別のビルに設置したカメラでも柔軟に設定でき、限られた管理スタッフで複数ビルの監視を可能にする。グループ会社の複数ビルを一元的に管理したり、映像のモニタリングを外部の管理会社に依頼したりすることも実現する。
スマートモニタリングはカメラ映像の確認だけでなく、必要に応じてビル管理者側でエントランスドアの解錠もできる。ビル管理者やオーナーにとっては、ビル管理の効率化で運用コストの最適化も見込める。
今回紹介したBuilMiraiに紐(ひも)づくソリューションは、いずれもクラウド上で稼働する。そのため、各機能を連携させて、入館システムとカメラのモニタリングシステムを連携させればビルのさらなる防犯強化につながる。こうしたAPI連携による相乗効果は、今後のBuilMiraiのサービスでも検討されている。
BuilMiraiの各サービスは、サブスクリプション(月額サービス)で提供。クラウド上の運用になるため、ビル内に映像記録用サーバなどを設置する必要もなく、導入や運用で多額の費用がかからない。コストメリットは、中小ビルのオーナーや管理者にとってBuilMiraiを選ぶ理由となるだろう。
2024年11月に第1弾でリリースする中小ビル向けBuilMiraiには、ビル設備の故障を監視するサービスもラインアップを予定している。エレベーター、受水槽、ポンプ、空調などの設備を遠隔でモニタリング監視し、スマホでも管理が可能になるとのことだ。
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