スタートアップBiodata bankが開発した熱中症対策ウォッチ「カナリア Plus」は、特別なセッティグが不要で、装着するだけで熱中症リスクを感知するとアラートで警告を発するデバイスだ。シンプル機構のデバイスは、熱中症対策ギアの新標準に成り得るのか。
「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2024」と同時開催の「第10回 猛暑対策展」(会期:2024年7月24〜26日、東京ビッグサイト)で、ひときわシンプルなデザインで来場者の注目を集めていたのがBiodata bank(バイオデータバンク)の熱中症対策ウォッチ「カナリア Plus」だ。
Biodata bankは、2018年に設立した人の身体の深部体温を推定する熱中症予防ウェアラブルデバイス「カナリア」を開発するスタートアップ企業だ。カナリア Plusはそのシリーズ最新モデルとなる。
厚生労働省の統計※によると、2023年の職場での熱中症による死傷者(死亡、休業4日以上)は1106人。その約4割が建設業と製造業で発生している。ただでさえ過酷な現場で担い手不足が深刻化している建設業界にとって、熱中症対策は急務の課題の一つだ。
熱中症は、高温多湿の環境や激しい運動などにより、体内の水分と塩分のバランスが崩れたり、深部体温が上昇して体内の調整機能が破綻したりすることで発症する。カナリア plusは、独自技術とアルゴリズムで深部体温を推定することで、熱中症のリスクを検知できる。
※厚生労働省「令和5年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」
一見シンプルな外観のカナリアplusだが、そのスペックは高性能。深部体温推定精度は、大手製薬会社との共同実験でも、医療機器と同等に近い評価を得ている。さらに、IP67の防塵/防水性能を備え、日常的な使用はもちろん、粉塵(ふんじん)の多い工事現場や工場、雨天時の屋外作業など過酷な環境下でも支障なく使える。国土交通省のNETIS(新技術提供システム)でも最高ランク「VE評価」の認定を受けている。
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