鹿島建設とゴーレムは、AIを活用して建物のライフサイクル全体のCO2排出量を正確に算定するシステムを共同開発した。
鹿島建設は2024年8月29日、建設業のDX支援を手掛けるゴーレムと共同で、AIを活用して建物のライフサイクル全体のCO2排出量を算定するシステム「Carbon Foot Scope(カーボンフットスコープ)」を開発したと発表した。新システムをS造、地上13階建ての中規模物件に活用した事例では、CO2算定にかかる時間を8割削減できた。
新システムに工事見積内訳書などの既存データを取り込むと、建物を構成する建築部材などをAIが自動分類し、所定のCO2排出原単位とひも付ける。建築部材に加え、構成部材が数万点にも及ぶ電気や衛生、空調、昇降などの設備機器のCO2排出量も正確に算定できるのが特徴だ。
算定性能を生かして複数パターンのケーススタディーを短時間で行えるため、より合理的で経済的なプランを複数提案することも可能になる。
鹿島建設は自社施工の4物件で新システムを適用し、専門知識を有する技術者と同水準の正確性で、建物のライフサイクル全体のCO2排出量を算定できることを確認した。
新システムは日本建築学会が定める「建物のLCA(Life Cycle Assessment)指針」や、各種団体が推進する算定ツールにも対応しており、顧客のニーズに合わせた算定結果の提供も可能だ。
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