JR東日本は、部門ごとに取得した点群データの社内横断的な相互利用を目的に「点群データ利活用プラットフォーム」の運用を開始した。点群データの活用をさらに進めることで、設計・施工のDXを推進する。
JR東日本は2024年7月4日、鉄道電気設備設計のDXを加速すると発表した。取り組みの一環として、全社横断的な点群データの相互利用を目的に、各部門が取得したデータを集約する社内の共通データ基盤「点群データ利活用プラットフォーム」を新たに構築し、運用を開始した。点群データの活用をさらに強化し、設計・施工のDXを推進する。
データ基盤上で、点群データやBIM モデルを相互に活用することで、施工計画の可視化や工程管理をよりスムーズに行えるようにする。また、AIなどを活用して、過去データとの比較により設備状態を把握し、維持管理レベルの向上を目指す取り組みの実現も目指す。
JR東日本では、点群データやBIMモデルを活用し、鉄道設備の設計・施工から設備維持管理までのプロセスの業務効率化を推進している。
鉄道設備の調査は従来、工事設計の度に、土木や電力などの関係する係員が、夜間の限られた時間に、現地で計測や設置位置の検討を行っていた。現在では3Dレーザスキャナーやカメラなどで撮影した点群データや、点群データをもとに作成したBIMモデルの活用を順次導入しており、業務の効率化につなげている。BIMモデルを作成することで、設計に関してもさまざまな図面や資料の自動作成が可能になり、生産性の向上に寄与する。
また、2022年度から導入した鉄道電気設備の設計ツール「Railway-Eye」に、新たに、設計図面の自動作成機能などを追加する。3Dモデルに規格や仕様、製造年月、メーカーなど設備の諸元や、風速や温度などの環境条件を加えたBIMモデルを作成することで、平面図や装柱図のような設計資料を自動で作成できる。2025年度の導入予定で、図面作成や技術検討などの設計業務で、作業時間の2割削減を目指す。
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