東急建設はアイシーソフトが開発した環境データ一元管理システムに独自機能を追加し、運用している。工種工法ごとのCO2排出量推定から、竣工までのCO2排出量の試算にも対応し、環境関連データの把握/開示に関する業務を効率化する。
東急建設は2024年2月20日、アイシーソフトが開発した環境データを一元管理できるシステムに独自の機能をカスタマイズした「環境管理システム」を運用していると明らかにした。建設現場の業務効率化を推進することで、労働時間の削減を図る。
東急建設の環境管理システムは、建設現場で発生するCO2や産業廃棄物の排出量、エネルギー使用量など、複数の環境関連データを一元的に管理するWebシステム。2023年11月1日から運用を開始した。
東急建設では従来、環境データの管理について、各工事現場で個別に数値を把握し、データ別に構築された社内システムへ入力していた。CO2排出量を把握/推計するためには現場ごとの重機台数や稼働時間、納入した木材やコンクリートの量、燃料などを個別に管理するなど、現場での施工管理以外の業務負荷が高い状態にあった。
環境管理システムには、業務効率化を目的に、CO2排出量の推定機能と、工事見積もりデータを連携させる機能を独自に搭載した。
CO2排出量を推定する機能では、現場の重機データなどを個別に把握するのではなく、東急建設の過去工事データから工種工法ごとに設定した単位仕事当たりの係数を用いて算出する。今後、実績データを蓄積することで、推定の精度はさらに向上するという。
また、工事見積もりデータと連携させる機能を使うことで、竣工までのCO2排出量を試算できる。これにより排出量目標のモニタリングや排出量の少ない工法の選択など、現場におけるCO2排出量のさらなる削減も見込める。
データは支店や本社でも確認でき、全社集計の効率化、全社目標管理など環境に配慮した経営判断にも役立つ。
なお、環境管理システムは環境法規制データベースと連携しており、さまざまな規制もチェックできる。
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