帝国データバンクが2024年の注目キーワードに関する企業向けアンケートを実施した結果、建設業では約7割が「人手不足/人材確保」、6割が「2024年問題」と回答した。全体業種のランキングで見ても、人手不足に関連するキーワードは前年の調査から大きく上昇した。
帝国データバンクは2023年11月16日、2024年の注目キーワードに関する企業向けアンケートの結果を発表した。目前に迫る「2024年問題」を受け、人手不足関連のキーワードが前年から大きく上昇した。
注目キーワードのトップは「ロシア・ウクライナ情勢」(73.2%)で、4位の「中東情勢(ハマス・イスラエルの紛争)」(62.2%)、10位の「チャイナリスク(政治、経済的リスクなど)」(49.2%)を含めると、9割超の企業が海外情勢を注目のキーワードとして捉えていることが分かった。海外情勢の変化による原材料やエネルギー価格の高騰を危惧する声が多く挙がっている。
「人手不足・人材確保」(63.6%)は前年のアンケートから20ポイント以上上昇し、物流業や建設業などの残業上限規制による「2024年問題」(50.8%)が7位に入った。特に物流に関して「流通への影響が懸念される」(化学品卸売業)など、幅広い業界から関心が寄せられている。
また、デジタル技術の活用に関して、約3社に1社が「生成AI」(35.8%)、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」(34.2%)をキーワードとして挙げた。
アンケートの回答企業からは「自社のような中小企業は賃上げを継続するために生産性の向上が必須」だとして、そのために「業務プロセスのデジタル化やDX、生成AIなどの活用が重要なポイントになる」と述べた。
業種別にみると、建設業では「人手不足・人材確保」が7割超、自らの業界に直結する課題である「2024年問題」が6割超を占め、全体を10ポイント超上回る結果となった。また、「自然災害・異常気象」(56.3%)や「サイバー攻撃」(18.8%)、「インボイス」(47.2%)もなど全体より高い傾向にあった。
一方で、「DX」(32.6%)や「生成AI」(25.7%)などのデジタル技術を注目キーワードと回答した割合は、全体よりも低い傾向にあった。
アンケートに回答した建設業者からは「人材不足、エネルギー価格の高騰、価格転嫁の状況などで経営がますます困難な時代になる」などの声が聞かれた。
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