Northfinder B/GCAH-21は、真北方位で姿勢角検出のジャイロ装置。直方体のNorthfinder Aと異なり、80(幅)×72(高さ)×88(奥行き)ミリのほぼ立方体のコンパクト形状をしている。担当者は、「Northfinder Aは高性能だが、掘削に特化した形状のため、使用用途が限られていた。もっと幅広い用途で活用できるジャイロ装置が欲しい」とのユーザーの声を受け、Northfinder Aの汎用機器として開発されたのがNorthfinder Bというわけだ。
Northfinder A同様に、GPS無しでリアルタイム姿勢方位を出力し、高精度に姿勢角(ロール角/ピッチ角)と方位角(ヨー角)を演算する※。動的な角速度や加速度を出力し、速度を入力することで姿勢角の精度が向上する。さらに、GPSレシーバーやバッテリー、無線モジュールなど、ユーザーから要望があった機能追加を想定した仕様となっているのも、汎用機器のNorthfinder Bならではの特徴だ。
※ロール角=物体の前後軸に対しての回転角度、ピッチ角=物体の左右軸に対しての回転角度、ヨー角=物体の上下軸に対する回転角度
住友精密工業は、Northfinder Bをドローンなどの姿勢制御や船舶の姿勢/移動の計測、鉄道線路のゆがみ監視などの装置としての利用を見込んでいる。他にも、検知精度の高さや耐久性に着目し、洋上風力発電で活用できないかとの問い合わせもあるという。
Northfinder Xは、Northfinderの技術を応用した孔曲がり計測の専用装置。孔曲がりとは、掘削機械や地質上の原因で生じる削孔の曲がりを意味する。
Northfinder Xは、Northfinderの機構が組み込まれた計測ツール(外径38ミリ、長さ930ミリ)をワイヤにつないで削孔に挿入し、引き抜いた際や巻き取ったワイヤの長さから、削孔の曲がり量や深さを計測する。Northfinderの技術を使用しているため、従来の孔曲がり計測装置では計測できなかった方位情報も取得できる。
計測装置にはバッテリーが内蔵されているため、外部電力を用意したり、ワイヤで電気供給をしたりする必要がない。機器の操作やデータの確認は、Bluetooth経由で計測ツールと接続する専用ポータブル端末で行う。
Northfinder X 日本版は開発中で、完成予定は2023年度内だという。ブース担当者は「それまでは展示会などを通じて、製品アピールをしていきたい」と話す。
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