三井住友建設は、自社開発の環境配慮型コンクリート「サスティンクリート」で、ゼロセメントタイプを用いた計画中の建物を対象に、日本建築センターの特別工法評定(評定期間9カ月)を取得した。
三井住友建設は2023年9月11日、自社開発の環境配慮型コンクリート「サスティンクリート」のポルトランドセメントを使用しないゼロセメントタイプを用いた計画中の建物で、東京大学大学院 工学系研究科 教授 野口貴文氏の協力の下、日本建築センターの特別工法評定(評定期間9カ月)を取得したと発表した。
計画中の建物は、地上3階建て、免震構造で躯体構造にはアンボンドプレキャストプレストレストコンクリート造一部鉄筋コンクリート+鉄骨造で、上部躯体構造の全てのプレキャストコンクリート(PCa)部材にゼロセメントタイプのサスティンクリートを使用している。
サスティンクリートは、材料に由来するCO2排出量を40〜90%を削減する環境配慮型コンクリートだ。これまでに土木構造物や非構造部材へ適用してきたが、PCa部材の製造管理手法を確立するとともに、材料特性や構造性能、耐火性能を確認し、一般的なコンクリートと同様に取り扱えることを、同社によると国内で初めて実証した。
サスティンクリートは、高炉スラグ微粉末やフライアッシュ、シリカフュームなどの産業副産物の特性を考慮し、配(調)合の最適化を図ることで、さまざまな構造物の要求性能を満足しつつ、CO2排出量が多いセメントの使用量を極力低減する。
通常コンクリートに使用されるセメントは、製造過程におけるCO2排出量が多く、使用量を減らすことは、建築物建設時の建築材料由来のCO2排出量削減に大きく寄与する。しかし、セメントを使用しないコンクリートの建築構造部材への適用は、建築基準法の範囲外となっていた。
今後、三井住友建設はサスティンクリートの適用範囲を拡大していく見込みだ。
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