日立チャネルソリューションズは、自動墨出しロボットシステム「SumiROBO」で、墨出しを開始するための「ロボット設定」や墨出しに必要な「図面編集」を機能強化した。
日立チャネルソリューションズは、このたび自動墨出しロボットシステム「SumiROBO」で、墨出しを開始するための「ロボット設定」や墨出しに必要な「図面編集」の機能を強化するとともに、新たに「床面の高さ計測」も実装し、2023年5月から提供を開始した。
SumiROBOは、AutoCADやT-fasなどのCADデータをもとに、測量機との通信により、墨出し位置に移動し、床面に直線や文字を印字して墨出し作業を自動で行うロボット。国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」に登録されるとともに、レンタル会社を通じて、多様な建設現場で運用されている。
具体的な手順は、CADデータをPCから専用のソフトで墨出しロボット用に変換。ロボット用データは、USBやBluetooth通信で付属のタブレットへ取り込む。タブレットと墨出しロボットは連動しているため、図面データをロボットが認識して、作業員は手持ちのタブレットで墨出し作業がスタートする。AutoCADやT-fas以外のCADソフトについては、図面を作図依頼する支援サービスなども用意されている。
日立チャネルソリューションズは今回、ロボット設定や図面編集をより使いやすくする機能を拡張した。ロボット設定では、人による墨出し作業により近づけるべく、墨出し作業を開始するために必要な現場フロアに記された通り芯(基準芯)の設定を、現場の複数の区分にも対応した。最も近い計測した通り芯や既知点に自動で切り替える最寄り基準の墨出しが可能となり、これまでより広い範囲を精度高くカバーする。
墨出し作業内容を示す図面の編集では、走行禁止エリアや壁の設定がタブレットからだけでなく、事前準備の段階でCAD図面からも設計図の情報に基づきマウス操作で指定できるようになった。加えて、図面変換ツール上であらかじめデータ化する範囲も指定する機能も備え、不要な図面部分を削除するなどの負担軽減につながる。
また、新機能では、打設後の床面の仕上がりを確認するために必要な床面の高さ計測機能を追加した。指定された計測地点にロボットが移動することで、格子上の多数の計測点に対して、ロボットが順番に移動して品質確認に必要な床面の高さを自動で測る。計測結果は自動でデータ化し、CSV形式での出力に対応しているため、計測データを表計算ソフトなどで編集することで、目標レベルとの過不足、傾斜の度合、鉄筋被り厚の検討が実現する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.