本連載では、総合人材サービス会社で建設業向けの人材サービスを展開するヒューマンリソシアが、独自に調査した建設業における人材動向を定期レポートとしてお届けする。建設業従事者の人材動向に関する実態を解明し、建設業各社の採用・定着に向けた戦略を考えるうえで少しでもお役に立てれば幸いである。今回は、国土交通省の「2022年度建設投資見通し」をもとに、2022年度の建設市場を予測していく。
国土交通省の「2022年度建設投資見通し」では、2022年度の建設投資総額は66兆9900億円になる見通しと発表された(図表1)。建設投資の増加率は、2020年度は前年度比4.9%、21年度は同1.9%、22年度は同0.6%へと低下しており、建設市場は伸び悩んでいることが分かる。
また、物価変動の影響を取り除いた実質値でみると、21年度の対前年増減率は2.7%の減少となっている(図表2)。このことから実態としては、工事量は減少に転じていたと考えられ、建設資材の高騰などが続くと、22年度見通しについても、建設投資総額は実質減になることが予測される。
政府建設投資についてみると、22年度は前年度比3.7%減の22兆5300億円になる見通しとされており、21年度の4.3%減に続いて2年連続の減少(図表3)。
工事分野別では、政府土木投資が20年度の18兆600億円をピークに、21年度が17兆1000億円(前年度比5.3%減)、22年度が16兆4800億円(前年度比3.6%減)と2年連続で減少。防災・減災、国土強靱化などの公共工事が減っていると推察される(図表4)。
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