「建設6業種で増収傾向を堅持するも、最終利益で明暗鮮明に」2023年3月期第2四半期決算まとめ：調査レポート（1/2 ページ）

建設業関連の6業種における上場主要10社の2023年3月期第2四半期決算を分析した。第2四半期の決算では、業種ごとで明暗が分かれる結果となった。一方で通期予想では、住宅・不動産業など2業種が上方修正している。

[谷川整，BUILT]

　建設業関連の6業種（総合工事業、土木工事業、電気・電気通信設備工事業、管工事業、プラント・エンジニアリング業、住宅・不動産業）における上場主要10社の2023年3月期第2四半期決算を分析した。

第2四半期は2業種で大幅増益も、明暗鮮明に

　主要10社全体の第2四半期決算をみると、6業種全てが前年同期比で増収となり、うち「総合工事業（ゼネコン）」「住宅不動産業」が増益となった反面、「土木工事業」「電気・電気通信設備工事業」「管工事業」の3業種で減益を示した。6業種トータルでは、増収増益となった。増益／減益の傾向ともに2桁以上の変動幅となり、業種ごとに明暗が分かれた結果となった。

【表1】各業種の上場主要10社の実績合計における前年同期比増減率　出典：各社の決算短信より筆者が作成　※非公表企業は除く

通期予想は「住宅・不動産業」など2業種で上方修正

　2023年3月期の通期業績では、業種全体で増収増益の傾向を示した「総合工事業」で4社が予想を下方修正するなど、回復基調に一区切りがうかがえる。他方で、全業種のうち6社が予想を上方修正。なかでも「住宅・不動産業」では3社が強気の判断に改めるなど、好調さを鮮明にみせた。この他、「プラント・エンジニアリング業」も収益予想を楽観寄りに変えている。

【表2】各業種の上場主要10社の業績通期予想における前年同期比増減率　出典：各社の決算短信より筆者が作成