JUIDA 千田副理事長に問う、「社会実装元年」で幕開く“DaaS”時代と建設分野でのドローン用途Japan Drone2022(1/3 ページ)

無人航空機の登録が義務化され、有人地帯での目視外飛行(レベル4)解禁も間近に迫っている。2022年をドローンの社会実装元年と位置付けるJUIDAは、DaaS(Drone as a Service: ダース)時代の到来を見据えた専門家養成講座の新設やテクニカルレビューの創刊など、日本でのドローン産業のさらなる発展を下支えする。

» 2022年09月12日 06時34分 公開
[加藤泰朗BUILT]

 2022年6月20日に、欧米に遅れること国内でも無人航空機の登録制度が始まった。さらに同年12月には、有人地帯での目視外飛行(レベル4)が解禁される公算だ。日本におけるドローン新時代の幕開けを予感させる2022年。日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は、本年を「社会実装元年」と位置付けている。

 エポックを迎え、日本のドローン産業はどのように変わり、どこへ向かうのか。ドローンの国際展示会&カンファレンス「Japan Drone2022|第7回−Expo for Commercial UAS Market−」(会期:2022年6月21〜23日、千葉・幕張メッセ)の会場で、展示会主催者のJUIDAで副理事長を務める千田泰弘氏に、無人航空機の登録制度と、今後の日本ドローン産業が進む道、そしてJUIDAが担う役割について聞いた。

2022年6月にスタートした機体登録制度

 2020年の改正航空法に準拠して、2022年6月20日に無人航空機の登録制度がスタートした。制度の中身を千田氏は、「今回は、機体の登録制度とリモートIDの2つのことが義務化された。機体登録では、機体重量(バッテリーも含む)が100グラム以上のドローンは今後、用途に関わらず国に登録し、登録記号を機体に示さねばならなくなった。車のナンバープレート制度をイメージしてもらえれば分かりやすいだろう」と説明する。

 機体登録には、国土交通省の「無人航空機登録ポータルサイト」からのオンライン申請と、書類郵送による申請の2パターンがある。審査通過後に、手数料を入金すると登録記号が付与される。登録の有効期間は3年で、有効期限内に更新すれば、更新日から3年間は同じ登録記号を使用できる。有効期限が切れた場合は、同じ機体でも新たに登録しなければならず、登録記号も変わる。

 一方のリモートIDとは、機体の製造番号や登録記号といった静的情報と、飛行中の位置(緯度/経度)、速度/高度、時刻などの動的情報を、1秒に1回以上無線で地上に送信する装置のこと。現在、外付け型と内蔵型があり、2022年6月20日以降に飛行する機体は、一部の例外を除いて(2021年12月20日から2022年6月19日までに事前登録した機体など)、リモートID機器の搭載が求められている。

 「機体登録やリモートIDは、米国や欧州では既に採用されている制度。国はリモートID機器の規格を定めており(2021年12月1日制定 国官参次第122号)、送信される信号は、民間非営利の国際標準化と規格設定の機関ASTMインターナショナル(American Society for Testing and Materials)の欧州でも採用されている世界標準の規格ASTM規格に準じている」(千田氏)。

日本UAS産業振興協議会(JUIDA)副理事長 千田泰弘氏

機体登録制度の2つの意義

 機体登録制度の運用が始まると、理論上、国は国内を飛行する機体を100%識別できるようになる。その意義は2つあると、千田氏は指摘する。

 1つは、誰が何のために飛ばしているのかが不明な機体が無くなることだ。古くは2015年4月に、首相官邸にドローンが墜落するという事件が起きた。直近でも、2019年10月と11月に計3回、ドローンの目撃情報により、関西国際空港の一部滑走路が閉鎖されている。「2022年12月には、レベル4が解禁される見込み。ドローンの安全な運行のためには、正体不明なドローンを無くすことが重要となる。万一、ドローンが事故を起こしたときも、登録制度があれば誰の機体かをトレース(追跡)できる」(千田氏)。

JUIDA公式サイトのトップページ 出典:JUIDA Webサイト

 もう1つは、国内のドローン数が正確に分かるようになること。「これまで国内に何機ドローンがあるのかという統計はありませんでした。さまざまなドローン関連の政策を決定するうえで、機体数は欠かせない情報となる」と千田氏は強調する。

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