長谷工コーポレーションは、センスウェイと共同で、建設現場内の環境を、LPWAの1種「LoRaWAN」を搭載したセンサーを通して一元管理する「建設現場内環境センシングシステム」を開発した。今回のシステムは、2021年12月に長谷工グループが賛同を表明した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言を踏まえており、長谷工コーポレーションの気候変動対応策「気候の影響を受けない施工方法の確立」における「監視システムのIoT化」に合致している。
長谷工コーポレーションは、センスウェイと共同で、建設現場内の環境をLPWAの1種「LoRaWAN」を搭載したセンサーを通して一元管理する「建設現場内環境センシングシステム」を開発したことを2022年8月24日に発表した。
従来は、建設現場内の熱中症対策として、所定の場所で作業員がWBGT値を1日当たり数回にわたり計測していたが、作業員の負担となっていた。そこで、長谷工コーポレーションは、センスウェイとともに、建設現場内環境センシングシステムを開発した。
建設現場内環境センシングシステムは、現場に導入することで場所や時間を選ばずに、関係者全員がWBGT値を確かめられるようになり、WBGT値が一定の数値を超えるとアラートも関係者のスマートフォンに通知されるため、熱中症への迅速な対応を実現する。
さらに、管理システムの地図上に全建設現場の状況を表示し、本部の事務所で現場にいる作業員のWBGT値を一元管理することが可能となり、各建設現場で1日当たり約1時間の労務削減を達成する見込みだ。
加えて、今回利用したLoRaWANは、乾電池のみで動作し電源不要で低消費電力で運用でき、長距離通信に対応しているため、通信設備は建設現場の事務所内に設ける中継器だけで、コスト低減も図れる。
また、2022度は建設現場内外の安全確保対策として風向・風速センサーも配置した。現在は、建設現場内環境センシングシステムに騒音センサーや振動センサーも実装する準備を進めている。
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