長谷工コーポレーションは、ニチハとともに、RC造建築物向けの複合乾式外装工法「RC×EX工法」を共同開発した。今後、長谷工コーポレーションは、設計・施工する新築分譲マンションの事業主にRC×EX工法を提案していく。さらに、グループ会社が行う大規模修繕工事などでも、RC×EX工法を応用し新たなリニューアル工法として開発し訴求する見込みだ。
長谷工コーポレーションは、ニチハとともに、RC造建築物向けの複合乾式外装工法「RC×EX工法」を共同開発し、新築建築物を対象とした日本建築センターの建設技術審査証明書(建築技術、BCJ-審査証明-285)を取得したことを2022年6月2日に発表した。
RC×EX工法は、RC造建築物の新築工事時に用いられる型枠セパレーター※1を利用して鋼製下地(プラットフォーム)を取り付け、その上に窯業系サイディング※2を外装材として装着する外装工法。
※1 型枠セパレーター:相対するせき板の間隔を正しく保持するために使用される金属部品。
※2 窯業系サイディング:主原料としてセメント質原料と繊維質原料(パルプ・木繊維)などを成型し、養生・硬化させ塗装した外壁材。
特徴は、従来のタイル張りや吹付タイル仕上げとは異なり、耐久性やデザイン性、更新性を兼ね備えた外装仕上げを実現するだけでなく、耐燃えひろがり試験により火災に対する安全性を確認している点。さらに、ニチハの窯業系サイディングにはこれまで未利用だった国産木材の端材チップを活用し、環境に配慮した。
具体的には、適用範囲に関して、高さ45メートル以下の建築物が搭載するRC造外壁面に搭載でき、耐風圧と耐震性では、建築基準法に規定される風圧力と地震力に対して十分な耐力を有するとともに、地震時の建物変形に対して機能を損なう脱落や破損が生じないことが分かっている。
耐久性については、各金属部材に高耐食メッキを採用し、促進腐食試験によって長期間にわたり強度上の支障を伴う腐食が発生しないことをチェックした他、窯業系サイディング表面の塗装に高耐候塗料を使用し、促進耐候性試験により変色・褐色に対して高い耐久性を有することを確かめた。
さらに、多彩なデザインの窯業系サイディングが用意されており、部分的・全面的な交換に応じ、JIS「建築ファサードの燃えひろがり試験方法」で、燃えひろがりが生じないことを確認し、乾式外装工法における耐燃えひろがり性能をチェックした。
加えて、窯業系サイディングに国産木材の端材チップを体積比率50%以上混入し、国産木材の利用促進とCO2固定化により環境に配慮している。
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