戸田建設が現代アートを東京・京橋の新TODAビル建設現場の仮囲いに展示する試み「KYOBASHI ART WALL」で、第1回の優秀作品に、応募総数222作品のうち2作品が選出された。
戸田建設が若手アーティストを支援する目的で始めた現代アート作品公募プロジェクト「KYOBASHI ART WALL」の第1回優秀作品と奨励作品が決定した。優秀作品は、戸田建設が東京都中央区京橋で工事を進めている新本社ビル「(仮称)新TODA BUILDING(新TODAビル)」の建設現場仮囲いに2022年2月21日から2023年11月まで展示する。
第1回目となる公募企画は、2021年11月1日から12月24日までに作品募集を行い、国内外から総数222点の応募が寄せられた。作品審査では、現代アート分野で実績のある笠原美智子氏(公益財団法人石橋財団 アーティゾン美術館副館長)と小山登美夫氏(小山登美夫ギャラリー代表)を迎え、優秀作品2点と奨励作品2点の入選が決定した。
優秀作品は、仮囲いでの掲出展示に加え、戸田建設が賞金25万円で買い取る他、2022年8〜9月には東京都中央区京橋にあるギャラリー「四季彩舎」で展覧会を開催する。
KYOBASHI ART WALLは、若手アーティストの支援を目的に2021年11月にスタートした現代アート作品の公募プロジェクト。新TODAビルの2024年オープンに向けて、半年に1回、全4回にわたり作品を募集し、優秀作品を各回2作品(合計8作品)を選出する。優秀作品は、新TODAビル建設現場の仮囲に掲出するだけでなく、京橋の各所で展開し、京橋発の新進アーティストを発掘して作品発表の場を提供することを目指す。なお、第1回目は、四季彩舎とTOMOHIKO YOSHINO GALLERYによる現代アートプロジェクト「TOKYO CONTEMPORARY KYOBASHI」との共催で実施した。
第1回優秀作品に選出されたのは、Kokeshisky(コケシスキー)氏の絵画作品「Hole」と佐々木香輔氏の写真作品「space -under the ground-」。Holeは、「堆積物からなる山に対しての穴であり、加えて、時間の積み重なり、同じ場所でありながら違う時間の一瞬が融合した画面を表現」。space -under the ground-は、京都大学地震予知研究センターが管理している地下空間に設置された地震の研究装置を、光源位置を何度も変えながら複数枚撮影して1枚に合成している。
講評では「(Holeは)少女を取り巻く森のような自然と、クルマや遊具のような人工物、鹿の骨があり、時空をこえるスポットのような風景が展開されている。(space -under the ground-は)時代とともに変容する地下に広がる空間が照らしだされている。どちらの作品も、京橋という街の壁面に、現実から違う世界につながる場所を提示してくれる」と評された。
また、奨励作品の受賞作は、奥山広樹氏のインクジェット出力したフォトメディアをコラージュした「夜」や顔料インクを使用するアーカイバルピグメントプリントで制作した戸田沙也加氏の「signal」が選ばれた。
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