大和ハウス工業と大和ハウスグループのフジタが共同出資し組成した川西石道特定目的会社は、兵庫県川西市石道で、マルチテナント型物流施「DPL兵庫川西」の開発を進めている。総事業費は約200億円を見込んでいる。
大和ハウス工業と大和ハウスグループのフジタが共同出資し組成した川西石道特定目的会社は、兵庫県川西市石道で開発を進めていたマルチテナント型物流施「DPL兵庫川西」が着工したことを2022年2月1日に発表した。
関西地区では、EC(電子商取引)関連の物流量増加を背景に、マルチテナント型物流施設への需要が堅調に伸長している。具体的には、新規需要が新規供給を上回る状況が続いており、空室率も関西圏の大型マルチテナント型物流施設(延べ床面積が3万3057平方メートル以上)は、2020年には3.7%と前期比0.3ポイント低下し、減少傾向にある。
さらに、関西地区では、これまで湾岸地域で物流施設開発が進んでいたが、新名神高速道路の開通(2023年度全線開通予定)に伴い、内陸部での開発が増えている。
そこで、大和ハウス工業とフジタは2020年11月に、大阪府茨木市の彩都東部中央東土地区画整理事業地内で、マルチテナント型物流施設「DPL茨木北」の開発に着手した他、関西内陸部の兵庫県川西市で、最大12社のテナント企業が入居可能なマルチテナント型物流施設であるDPL兵庫川西の開発をスタートした。
DPL兵庫川西の開発地は、新名神高速道路「川西インターチェンジ」から約800メートルの場所にあり、近畿エリアから広域には西日本エリアまで短時間でアクセスできるエリアに位置している。加えて、能勢電鉄妙見線「畦野」駅から約3.3キロと、近隣には生活環境が整った阪急北ネオポリス地区をはじめとした大規模ニュータウンもあるため、職住近接の就労環境が整っている。
DPL兵庫川西は、地上4階建てで、テナント企業が建設費や維持管理費を抑えて物流事業を展開することが可能なマルチテナント型物流施設で、特定の企業専用に建設するBTS型物流施設と比べ、事業開始までの期間が短く、物流ニーズの多様化により、急速に変化する事業環境の中で迅速な事業展開を後押しする。
BCP対策として、地震発生時にも事業継続できるように、荷物や設備のダメージを最小限に抑える免震システムを導入。免振システムは、揺れを軽減することで上層階の荷崩れを抑制し、短時間で事業の再開が可能となるため、物流施設のレジリエンス強化につながる。
DPL兵庫川西は、RC造(一部S造)地上4階建てで、延べ床面積約は8万9065平方メートル。所在地は兵庫県川西市石道で、敷地面積は約4万1304平方メートル。賃貸面積は約7万2281平方メートル。設計・施工はフジタ・大和ハウス工業特定建設共同企業体が担当し、着工日は2022年2月1日で、竣工は2023年9月30日を予定しており、稼働開始日は2023年10月1日を見込んでいる。
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