従来の不動産業界のとくに管理部門では、担当者の経験やノウハウに依存していた。暗黙知を脱するためには、AIやクラウド、そしてBIMを活用した“不動産管理DX”を実現することが避けては通れない。仮に不動産情報がBIMと連携すれば、維持管理の高度化や生産性の向上、さらには施設の長寿化やコスト最適化ももたらされる。
日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)は、「ファシリティマネジメント フォーラム 2021(第15回日本ファシリティマネジメント大会、ライブ配信:2021年2月17〜19日/オンデマンド配信:2021年2月22〜3月1日)」を開催した。
会期中にJFMA FM戦略・企画研究部会のセッションでは、プロパティデータバンク 営業統括部長 光延彰修氏が、同社がSaaSとして提供している「@property(アットプロパティ)」を紹介した。@propertyは、BIMデータと連携可能で、不動産管理においてリアルタイム経営が実現できるという。
講演は、「DXおよびクラウドとは」「不動産管理DXについて」「BIMを活用したDXについて」のアジェンダに沿って行われた。
登壇者の光延彰修氏が営業部長を務めるプロパティデータバンクは、2000年10月に設立され、不動産ファンドやプロパティマネジメント、ビルマネジメントなどの他、フロントやバックオフィスの業務を対象とした不動産テックのソリューションを提供している。
不動産テックは、テクノロジーの活用で不動産に関する課題解決や効率化などを目指そうとするデジタル変革だ。利用のベースとしては、クラウド環境が前提となるため、今回の講演では、DXやクラウドといった単語の解説からスタートし、この分野に不慣れな人にも理解が進むような配慮の上、進行した。
「DX」という単語は、既に社会に浸透した感がある。だが、その意味を正しく理解している人は少ないのではないだろうか。光延氏は、DXを「単にシステムを新しくする、クラウドを利用するということではない」とし、「ビジネスモデルを創出し、環境、経済、外部的環境も含め、さまざまな変化に柔軟かつ迅速に対応していくことが求められるのがDX」と定義した。
光延氏は、不動産テックの利用分野として、「マッチング」「ビッグデータ活用」「業務効率化」について、先進的な海外事例を提示。業務効率化については、プロパティデータバンクが提供するソリューション「@property」の活用例を紹介した。
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