売れずに困っている空き家を処分「不動産有料引き取りSOS」産業動向

EINZは、売却が困難である空き地・空き家を対象とした有料処分サービス「不動産有料引き取りSOS」の提供を2021年7月12日に開始した。同社が不動産を買い取った後、最短3日で処分される。

» 2021年08月27日 08時00分 公開
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 EINZは、空き地・空き家を有料で処分する新サービス「不動産有料引き取りSOS」の提供を2021年7月12日に開始した。

不動産有料引き取りSOS 不動産有料引き取りSOS 出典:EINZ

 同社は、都内および近県において、再建築ができない戸建のような利用形態に課題があるものや、借地権や共有持分など権利関係が複雑なものなどを流動させるため、創業以来、自社で取得し、通常取引ができる状態に問題を解決してきた。

 同サービスでは、売却が困難な地方や郊外の「空き地・空き家」を同社が買い取り、売主として一般消費者へ直接情報提供することで、取引の成約率を上昇させる。郊外に所有しているが使っていない空き地、相続したが住んでいない空き家、倒壊寸前で放っておけない古家、維持・管理が困難な山林、更地のまま放置している別荘地、売却も寄付もできない空き地などが、サービスの対象となる。買い取られた不動産は最短3日で処分される。

 令和2年版土地白書および平成30年土地基本調査によると、全国の空き地および荒廃農地は約453万ヘクタールとなっている。また、平成30年住宅・土地統計調査によると、全国に空き家は849万戸あり、この20年で約1.5倍に増加している。管理不全な空き家などによる外部不経済は、防災・防犯、衛生、景観など多岐にわたる。また、犯罪の誘発、倒壊や火災、不法投棄などの原因となるため、空き地・空き家問題を解消していく必要性は高まっている。

 2021年4月23日、5月20日には、同サービスによる取引が成立しており、今後は、関東および近県までエリアを拡大してサービスを提供していく。

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