国際航業は、三井住友建設のPCa部材の製造工場の製造管理システムの機能拡張開発に協力した。取得可能なデータ範囲の拡大により、詳細な製造ラインの稼働状況と生産実績の可視化を実現する。
国際航業は、三井住友建設の超高層マンションなどに用いるPCa(プレキャスト)部材の製造工場の製造管理システム「PATRAC-PM(パトラック-ピーエム)」の機能拡張開発に協力したと発表した。取得可能なデータ範囲の拡大により、詳細な製造ラインの稼働状況と生産実績の可視化を実現するという。
今回の機能拡張において同社は工場屋内外の高精度な測位環境の再構築を行い、取得した位置情報と「PATRAC-PM」の部材ごとの生産情報を、生産性向上ツール「Patt Plus(パットプラス)」によって関連付けを行った。Patt Plusは、屋内外で人やモノの位置を高精度・リアルタイムで特定するセンシング技術で、アプリを通して工場や倉庫内の人の動きや仕掛品などのモノの滞留時間をリアルタイムに可視化できる。
また部材同士が密集するエリアでは、部材に設置したBLEタグの測位情報から作業対象の部材を高精度判別できる近接判定を実現。オペレーションを変えずに、特定のエリアにBLEタグを運ぶだけで自動でBLEタグと部材の関連付けおよび解除ができる仕組みを提供した。
PCa工場では、場内の各所で材料や工具の運搬、部材の製作、製品検査などが行われ、常に多くの作業員と部材が移動しているため、取得するデータ量は膨大で、作業員と部材が密集する場所では各作業者がどの部材に対して作業を行っているかなど詳細な判別が難しく、従来の測位方法ではデータの抽出と加工に限界があった。
今回の機能拡張により、屋内外で製造工程とともに変化する大容量の作業データの取得が可能になり、部材同士が密集しているエリアでも、得られる位置情報から部材別の作業実績を高精度かつ正確に取得できるようになった。作業員の位置・作業内容の判別精度向上によって、より多面的で正確な分析ができるように改善されたという。
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