パナソニックが大型郵便物を投函可能な小包ポストを発売、盗難に配慮した独自の設計製品動向(1/2 ページ)

パナソニックは、小包ポスト「Pakemo(パケモ)」とPakemo専用のエントランスポール「Archi FrameJタイプ」を2021年6月1日に発売する。

» 2021年05月14日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

70%が手渡しでなく非対面での受け取りを希望

 近年、国内では、長期化するコロナ禍でEコマースやフリマアプリなどの利用者が増え、自宅ポストで受け取れ、送料も安く抑えられる大型郵便物や小型荷物が増加傾向にある。経済産業省が発表した資料によれば、2019年におけるEコマース市場の規模は19.4兆円となり、2010年度比で10倍に成長した。同省の調査により、同年度におけるEコマースのユーザーが2010年度比で2.3倍に伸長したことも明らかになっている。

 そのような中、ポストの投函口が小さいことが原因で配達物を入れられず、配達員がインターフォンで居住者を呼び出して対面で受け渡しをしたり、留守の場合は再配達したりなど、受け手や配送者の負担になるケースも発生している。

 パナソニックが2020年4月24日〜5月6日、通販を利用する858世帯に宅配物を受け取る際の懸念事項についてアンケート調査を行った結果、対象者のうち70%が手渡しでなく非対面での受け取りを希望していることが判明。さらに、全体の約70%が対面での受け取りに不安を感じていることも発覚した。

宅配物を受け取る際の懸念事項に関するアンケート調査の結果 出典:パナソニック

厚さ7センチに郵便物も投函可能なPakemo

 そこで、パナソニックは、フリマアプリなどで利用が多い「ゆうパケットプラス(厚み7センチ)」や「ゆうパケットポスト(厚み3センチ)」などの大型郵便物などを投函できる小包ポスト「Pakemo(パケモ)」を開発した。

小包ポスト「Pakemo(パケモ)」
パナソニック ハウジングシステム事業部 外廻りシステムBU 外廻り設備商品推進部 商品企画開発一課 原望氏

 パナソニックが2021年5月12日に開催したオンライン記者発表会で、同社 ハウジングシステム事業部 外廻りシステムBU 外廻り設備商品推進部 商品企画開発一課 原望氏は、「当社では、2021年3月3日にフリマアプリを活用する20〜60代の1000人に対し発送物に関するリサーチを行った。結果、商品を発送する際のサイズについて質問したところ、全体の約70%が厚さ7センチ以下で発送することが分かった。さらに、送料の安価な厚さ7センチ以下の大型郵便物“ゆうパケットプラス”を利用していない理由を尋ねたところ、全体の33%が“近くに発送場所がない”と答え、31%は“送料を安くできることを知らない”と回答した。従って、ゆうパケットプラスは認知拡大後、普及し、大型郵便物を収納するポストの需要も高まる」と語った。

商品を発送する際のサイズに関する質問への回答 出典:パナソニック
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