JR東日本は、橋りょうやトンネルなどの新幹線構造物の大規模改修に向け、JR東日本総合研修センターの敷地内に、コンクリート橋、トンネル・土工設備、線路などの実物大の模擬設備を構築したことを発表した。
JR東日本は、福島県白河市のJR東日本総合研修センターの敷地内に、コンクリート橋、トンネル・土工設備、線路などの実物大の模擬設備を構築したと発表した。設備を構築した敷地の面積は約1万1000平方メートル。
同社は1982年に開業した東北新幹線(東京〜盛岡)および上越新幹線(大宮〜新潟)の区間について、安定輸送確保のため、橋りょうやトンネルなどの新幹線構造物を対象に、2031年度から10年間で大規模に改修することを計画している。今回の模擬設備を活用し、大規模改修だけでなく新幹線構造物に関わる日々の維持管理の生産性向上・働き方改革に向けて、ICTを活用した技術革新や人材育成を進める方針だ。
コンクリート橋設備では、東北・上越新幹線を再現した設備を構築した。調査・作業に用いる機械やオープンイノベーションを活用して選定した改修材料の開発を進める。また、再現した設備の一部では、防音壁取替を想定した材料の開発や改修作業の効率化を検討する。
トンネル・土工設備では、トンネル内の軌道にカーブ区間を再現できる装置を配備。さまざまな条件下でも施工可能な機械の開発や、操作者の訓練を実施するという。また、土工設備では改修工法の開発や効率化を目指す。
線路設備では、緩衝材の劣化によりすき間が生じた状態を似せた線路を構築し、スラブ板の上面からすき間を把握する調査手法の開発を進める。劣化した緩衝材やレール締結部の改修工法・機械の開発にも活用する。
さらに、3次元点群データを活用した工事情報管理の簡素化および質的向上、電化柱の耐震補強工事に向けた工法などの技術開発も進める予定だ。
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