建設業界全体で、工具の電動化が進んでいるなか、2020年度のアジア市場で35%の売上成長率を見込むミルウォーキーツールは、建設工具のコードレス化を強みに、日本の建設現場に向けてブランド展開を本格化させる。
米国の建設工具メーカー・ミルウォーキーツールの日本法人ミルウォーキーツール・ジャパンは2021年4月1日、日本市場に本格参入を果たした。
ミルウォーキーツールは、1924年に米国ウィスコンシン州ミルウォーキーで創業して以降、「ユーザーの日常的な(公私含めた)生活をミルウォーキーツール製品により変革・改善してもらう」を企業理念に掲げ、建設業界で働くプロフェッショナルの作業員に、高耐久かつ長寿命の工具を提供し続けてきた。これまでの売上実績としては、2019年度に北米で21.3%、西欧で24.6%、その他の地域で20.6%の成長率を達成。アジア圏に限っては28%の伸びで、2020年度には35%までの成長が予測されている。
現在の販売製品は、ベーシックな「MX FUEL」をはじめ、コンパクトで18ボルトクラスの「M12 FUEL」、36/40ボルト並みのパワーを有する「M18 FUEL」の3シリーズを中心に、周辺アクセサリーやハンドツールも含め、同じ理念のもと設計生産され、多様な業種でプロユースのニーズに応える製品群をラインアップしている。
なかでも主力となる大型建設工具のMX FUELシリーズは、350ミリパワーカッターや28ミリ六角軸コードレスハンマー、152ミリ手持ちコアドリルの3種類から成り、従来のエンジン式や空圧、高圧AC電動工具でしか製品化できなかったハイパワーの建設工具をコードレス化する目的で開発された。ミルウォーキーツールのコードレスシステムは、コード式や空圧工具のように電源の配線や空圧ホース準備の手間も要らず、ガソリン式の製品と比較した場合は、給油やプラグのメンテナンスの煩(わずら)わしさが省略され、低温時でもすぐに始動できる。また、一酸化炭素などの排出ガスを心配する必要も無く、低騒音かつ低振動で作業が行える利点がある。
また、MX FUELシリーズは、安定した電圧・電流の供給を可能にする「レッドリチウムバッテリーパック」に代表されるミルウォーキーツールのリチウムイオン電池技術が採用されているなど、さまざまな用途ごとの各電動工具の性能に合わせたバッテリーの作業量や耐久性が備わっている。さらに、アプリケーション内通信を可能にし、電力供給をコントロールし、パフォーマンスを最適化する集積回路「REDLINK Plus テクノロジー」や統一規格モーターでは実現が困難な木目の細かい調整を実現する「POWERSTATE ブラシレスモーター」などの先端技術も採り入れられているのが、他社製品との差別化になっている。
なお、2021年中にはMX FUELシリーズに、IP55相当の防塵(ぼうじん)と防水機能を備える27000ルーメンのタワーライト(投光器)も追加される予定。
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