ヒューマンタッチ総研は、2021年3月期第3四半期決算のまとめと今後の市場予測を公表した。レポートでは、土木工事業と電気設備工事業は堅調だが、ゼネコン、管工事業、プラント・エンジニアリング業では厳しい決算となったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は各社が予想した範囲内にとどまったと分析している。
ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は2021年3月4日、総合工事業(ゼネコン)、土木工事業、電気設備工事業、管工事業、プラント・エンジニアリング業、住宅・不動産業の6業種で分析した2021年3月期第3四半期決算から見る市場動向をリリースした。
総合工事業(ゼネコン)の売上高は、9社が前年同四半期を下回り、うち8社が減収減益で、増益となったのは鹿島建設1社のみ(図表1)。10社合計では、売上高は前年同四半期比▲10.8%(第2四半期は▲11.9%)、純利益は同▲19.1%(同▲21.8%)となっており、第2四半期と比べると若干改善しているが、依然として厳しい決算が続く。
2021年3月期の通期業績予想については前田建設工業が売上高と純利益ともに上方修正している以外に変更はない。
土木業の売上高は、NIPPO、日本道路、ピーエス三菱の3社が増収増益(図表2)。9社合計(※大豊建設は本レポート執筆時点で第3四半期の決算が未発表)では、売上高は前年同四半期比▲0.4%(第2四半期は▲1.9%)、純利益が同10%増(同▲1.0%)と増益に転じた。売上高についてもわずかな減少であり、業界全体として堅調な決算だと言える。
2021年3月期の通期業績予想についても前田道路、東洋建設、日本道路、川田テクノロジーズ、ピーエス三菱の5社は純利益を上方修正している。
電気設備工事業の売上高は、7社が前年同四半期を下回ったが減収減益は3社のみで、利益面では改善されている(図表3)。10社合計でも、売上高は前年同四半期比▲2.2%(第2四半期は▲3.2%)だったが、純利益は同7.7%増(同▲5.0%)と増益に転じ、収益性が改善されている。
2021年3月期の通期業績予想についても、きんでん、協和エクシオ、中電工が売上、純利益ともに上方修正し、改善傾向にある。
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