京都大学と住友林業は、宇宙における樹木育成・木材利用の共同研究契約を締結し、宇宙木材プロジェクトの開始を発表した。木造人工衛星の開発・運用を通して、宇宙空間での木材利用を検証する。
京都大学と住友林業は、宇宙における樹木育成・木材利用の共同研究契約を締結し、宇宙木材プロジェクトの開始を発表した。木造人工衛星の開発・運用を通じ、再生可能な資源である木材を宇宙利用する可能性を明らかにし、基礎的な知見を得たいとしている。
「宇宙木材プロジェクト(通称:リグノステラ)」は、両者のリソースを集結し、宇宙での木材活用の道を開拓し人類の持続的な発展を目指すものだ。2023年に木造人工衛星「LignoSat(リグノサット)」を打ち上げ、2024年3月31日まで、宇宙環境下での木材物性評価や樹木育成研究を行う予定だ。過酷な条件下での木材を活用する技術を開発し、地球での木材の利用拡大にも取り組む。
同プロジェクトでは、木造人工衛星の開発・運用を通して、宇宙空間での木材利用を検証する。木材は電磁波・地磁気を透過するので、人工衛星を木造にすることでアンテナや姿勢制御装置を衛星内部に設置でき、衛星構造を簡素化できるという。運用終了後、燃焼時に大気環境などの汚染源となり得る微小物質(アルミナ粒子)が発生しないため、よりクリーンで環境に優しい人工衛星の開発につながるとしている。
また、研究を通じて、木造建築向け超高耐候性木質建材の開発など、地球環境下での木造建築・木材利用を展開する。さらには、高い専門性を持つ次世代人材の育成と、潜在的な宇宙での木材利用の可能性拡大の両面への貢献を目指すという。
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