パナソニックは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、テレワークを行う労働者が増えたことを踏まえて、居住者が、建物の中心に配置したスペース「間」で、気持ちを整理して、プライベートと仕事の時間を切り替えられる「間のある家」を開発した。
パナソニックは2020年11月16日、オンラインでコンセプトハウス「間のある家」のWebセミナーを開いた。
会場では、パナソニック ライフソリューションズ社 コミュニケーション部 主幹 高松潤二氏や間のある家で監修を担当した予防医学研究者 石井善樹氏、設計を担ったトラフ建築設計事務所 禿真哉氏が間のある家について説明した。
間のある家は、パナソニックが開催したプライベートイベント「くらし体感スクエア」(会期:2020年11月9〜20日、オンライン)で披露された建造物で、同社はコロナ禍によって生じた変化に対応する住空間を目標に構築した。
パナソニック ライフソリューションズ社の高松氏は、「従来は、構造やデザイン、省エネ性などに着目したコンセプトハウスを展示していたが、今回は、新型コロナウイルス感染症対策の他、外出自粛で多様化する役割を果たせる家を開発した。テーマは“健、楽、備え”で、快適性に優れ、家事の負荷軽減と自家消費がしやすいのが特徴だ。導入した住宅設備は全てパナソニック製で、各機器はホームIoT“AiSEG2”とWi-Fiで接続し、一元管理している」と間のある家とこれまでのコンセプトハウスとの違いを語った。
間のある家は、木造1階建てで、延べ床面積は軒下空間のランニングコースを含めると96.6平方メートルで、建物単体だと68.6平方メートル。エントランス、台所、書斎、トイレ、テラス、寝室、脱衣所、浴室、シアタールーム、間というスペースで構成されている。
エントランスは、宅配ボックス「コンボイント」から郵便物を受け取れるようになっており、非接触で手が洗える水洗場「アラウーノカウンター」を設置し、帰宅後に手を洗浄しやすくしている。センサーによりタッチレスで照明がつけられる「明るさセンサー付ホーム保安灯」も搭載している。
台所には、2つの作業スペースで適度な距離を保ちつつ、夫婦や親子で料理が可能なシステムキッチン「Idobata スタイル」を設けており、家族で調理や食事が楽しめる。部屋の中には、従来品と比較して冷房の立ち上げ速度が15%アップしたエアコン「Eolia」の2021年モデルが取り付けられており、室温の調整が容易だ。
室内の窓からは庭が眺められ、庭にはエクステリア照明を配置しており、夜間でも景色を見られる。書斎はワーキングスペースとしても使え、設置されたサイクリングチェアで運動しながら、仕事を行える。
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