キヤノンマーケティングジャパンは、大判プリンタのMFPモデルと、クラウドストレージをリンクさせ、スキャンした紙図面をCADデータに専用ソフトで変換して、クラウドに保存することで自宅からも閲覧できる「図面変換シェアソリューション」を新たに展開する。
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、大判インクジェットプリンタ(IJP)のプリント/スキャナー/コピーが一体となったMFP(マルチファンクションプリンタ)モデルと、クラウドストレージ「HOME type-S2」を連携し、建設・建築業での新しい働き方推進に貢献する「図面変換シェアソリューション」を2020年8月上旬より提供する。
現在、日本の建設業界では業界全体で就労者の減少や高齢化が進み、建設需要を満たすだけの人材を確保することが難しくなっている。加えて、働き方改革関連法案への対応など、従来とは異なる新たな働く環境への変革も経営課題として立ちはだかっている。さらに、コロナ禍でのニューノーマル時代の働き方に伴い、とくに設計部門ではテレワークの要望は高まっている。
また、老朽化した社会インフラ整備の需要も高まるなかで、建設当時の紙図面を再利用する際の業務効率化と作業時間の短縮も乗り越えるべき壁となっている。
こうした状況を受け、キヤノンMJは、大判プリンタのMFPモデルとクラウドサービス「HOME type-S2」をリンクさせ、紙図面のスキャンから、CADデータへの変換、クラウドストレージへの保存までを一元化する図面変換シェアソリューションを提供し、建設業界での多様な働き方のニーズに応えていく。
HOME type-S2は、クラウドストレージ「HOME-BOX2」と「IT運用支援」を融合させた中小オフィス向けのIT支援サービス。MFPモデルの大判プリンタと連動することで、大判プリンタ(MFPモデル)でスキャンした紙図面を電子データ(イメージデータ)化し、簡単な操作でクラウドストレージへ保存。電子化した紙図面の電子データをPC上の変換ツールで、CADデータに変えて保存することで、今まで手作業に頼っていた紙図面のトレース作業を効率化し、業務時間の削減につながる。
図面をはじめ、施工データをクラウドストレージに安全に格納することもでき、インターネットを通じてオフィス内に限らず、外出先や自宅からでも、図面データなどのアクセスが実現し、場所に限定されない働き方が実現する。
CADデータの変換に関しては、MFPモデルの大判プリンタでスキャンした図面データや複合機で受信したファクスデータを編集可能なCADデータにツールで変換。変換後のCADデータを加工/編集できる他、取引先企業などから受け取ったPDFデータを編集可能なCADデータにも変換することにも応じる。
他社の大判プリンタ用のクラウドサービスとの違いでは、HOME専用のサポートセンターを開設しており、変換の仕方やプリンタの操作などユーザーのさまざまな困りごとに応じられるのを強みとしている。
図面変換シェアソリューションの価格は、A1出力のエントリー機「imagePROGRAF TM-200 MFP」とCAD変換ソフトウェア、HOME type-S2スターティングパックの構成で56万1000円(税別)。
プリンタ本体とのセット販売はTM-200 MFP以外に、シンプルな操作性とコンパクトなエントリーモデルのTM-MFPシリーズと、大画面タッチパネルを備えるTX-MFPシリーズの計5機種をラインアップ。サイズ別では、A1が「TM-200 MFP」「TX-2000 MFP」、A0が「TM-300 MFP」「TX-3000 MFP」、B0が「TX-4000 MFP(スキャンサイズはA0)」。なお、HOME type-S2の月額使用料は3000円で、1管理者IDと5ユーザーIDを含む。
キヤノンMJでは、5機種の合計で、図面変換シェアソリューションの販売目標を年間100台と掲げている。
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