キヤノンは2018年8月下旬、CAD向けの大判インクジェットプリンタ「imagePROGRAF(イメージプログラフ)」シリーズ3機種を発売する。
キヤノンは2018年8月下旬より、タッチパネル一体型のコントローラーを搭載した建設・土木・設計現場向け大判インクジェットプリンタ(IJP)3機種を発売する。
新機種は、2018年1月に販売を開始した大判IJP「imagePROGRAF TX」シリーズと、英国Global Scanning社で独自開発されたスキャナーを組み合わせたモデル。タッチパネルなどの操作性が見直され、建設・土木・設計現場での図面のデータ化や拡大コピーなどで、高速スキャンによる高い生産性をもたらす。
ラインアップは、B0ノビ対応の「TX-4000 MFP」、A0ノビの「TX-3000 MFP」、A1ノビ対応の「TX-2000 MFP」。搭載しているスキャナーは「TX-4000 MFP」と「TX-3000 MFP」が同サイズの36インチ、「TX-2000 MFP」が25インチ。
特徴の一つとなっているコントロールパネルのサイズは15.6型で、タッチパネル方式を採用。モニターとコントローラーが一体となっており、別途PCに接続して操作する必要が無い。表示されるアイコンも見やすさを重視し、直感的に操作できる。
一体型コントローラーには、スキャン&コピー用のソフトウェア「SmartWorks MFP version 5」が同梱され、タッチパネル操作だけで、さまざまな編集作業が可能だ。一例として、コーヒーをこぼしてしまったシミがある地図でも、スキャナーで読み取って、画面上で“しきい値”のスライダー動かすだけで、汚れだけを取り除くことができる。また、カラーマーカーで引いた図面を読み取って、色の薄い部分を“ガンマ値”で補正すれば、均一なマーカーの色にも直せる。
プリンタ上部に配置されたスキャナーは、独自のシングルセンサーテクノロジーで正確にデータ化。両側にはLED光源も配置し、紙に折り目があっても問題なくスキャニングできる。光学解像度は1200dpi、最大解像度は9600dpi。
インクは、5色顔料インク「LUCIA(ルシア) TD」で、インク受容層のない普通紙にも細線や文字を鮮明に再現する。
ロール紙は、下段に2本同時にセットできるロールユニットをオプションで用意。巻長のロール紙を上下にセットして、長時間の連続コピーを実現。セット方法も、「自動ロール紙セット」機構により、本体の給紙部に置くだけで、自動でロール紙の端を読み取って印刷可能な状態に調整するため、作業時間と負担を削減する。
キヤノンでは、建築、土木、製造など、個々の現場での分散出力ニーズは増加傾向にあり、大判IJPによるCAD図面の出力機会は増えているとして、販売展開に注力するとしている。また、CAD用途だけではなく、官庁や役所、インフラ工事などの現場で、地図を出力するGIS用途としての需要も見込む。
販売価格は、TX-4000 MFPが110万8000円、TX-3000 MFPが99万8000円、TX-2000 MFPが89万8000円(全て税別)。
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