さらに、「それぞれのフェーズで、最も大切にしたのはユーザーへのヒアリングで得られたデータの活用だと考えている。2019年12月〜2020年4月の5カ月間で6業種(不動産事業者、デベロッパーなど)12社にインタビューした。結果として、多くの会社が、施設の安全性に対して、多様な施策をとっているが、高いコストがかかっており、導入したシステムは利益を生んでいないことが分かった。システムは、各業界で独自の仕様があり、他のプラットフォームなどと連携しているケースが少なく、画像認識技術も生かしていない」と続けた。
さまざまな企業にヒアリングして判明した問題点を踏まえて、全コンセプトの核には汎用共通プラットフォーム「安心安全パッケージ」を置いている。安心安全パッケージは、カメラや複数のセンサー、電源、5G通信機能、位置捕捉機能で構成され、多用途に応じる。既存の設備に後付けが可能で、搭載したカメラにより、リアルタイムの監視や撮影し、得られた画像が専用システムのAIで解析が行え、記録した映像はクラウド上で確かめられる。
「安心・安全パッケージを活用したコンセプトの1つには、スマートビルディングがある。スマートビルディングは、施設内に取り付けたカメラやセンサーによって、建物の状態を監視するシステムで、有事の際は来館者や屋内の従業員に避難経路をナビゲーションする。取得した施設の環境情報は、テナントなどにマーケティング用として販売することで、収益化も見込める」(沖野氏)。
Season3では、建設WGなどとの協業を本格化し、安心安全パッケージを幅広いカテゴリーで使えるソリューションに仕上げるとともに、引き続き、ユーザーへのヒアリングやコンセプトの開発、プルーフィングにも取り組む。
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