エプソンは、CAD向けに、A1/A0幅の大判インクジェットプリンタを発売する。ニューモデルは、110mlと350mlだった2種類のインクカートリッジに、大容量の770mlが加わり、インク容量の異なるカートリッジを併用することで、ランニングコストを抑えられるのがウリとなっている。
エプソンは、CAD/POP向け大判インクジェットプリンタ「SureColor シリーズ」のラインアップに、水性顔料4色機のスタンダードモデルと位置付ける「SC-T3455/SC-T3455N(スタンド有り/無し)」と「SC-T5455」を追加し、2020年6月3日に発売する。
新機種のSC-T3455とSC-T3455NはA1サイズ、SC-T5455はA0サイズにそれぞれ対応し、インクは全色顔料の「UltraChrome XD2インク」を採用。建設・土木でのCAD図面出力をはじめ、商業店舗での販促向けPOPやポスターの制作、学校での教材の拡大コピーなど幅広い用途が想定される。
インクカートリッジは従来の110ml(ミリリットル)と350mlにプラスして、大量印刷するボリュームユーザーの需要に応えるべく、新たに700mlのインクカートリッジを搭載している。容量が異なるインクカートリッジを混在させて運用できるため、マットブラック/シアン/マゼンタ/イエローのうち、頻繁に使用する色を大容量カートリッジとすることで、ランニングコストを抑え、消耗品交換の手間軽減ももたらされる。
印刷メディアは、150メートル巻き普通紙の外径170ミリロール紙や電飾用フィルムがセットでき、大容量ロール紙で入れ替えの手間解消や電飾用フィルムでの新たな販促物作成も可能になる。
エプソンによると、SC-T3455でA1のポスターが1枚約16円(普通紙:厚手・薄手/300×600dpi/ドラフトモード時/双方向印刷オンの場合)で、SC-T5455でA0のポスターが1枚約29円の印刷コストになるという。
新機能は、これまでのCADドラフトモードだけでなく、新たにPOPやポスターの高速印刷を可能にするPOPドラフトモードを実装。これにより、ポスター出力速度は、SC-T3455はA1サイズで約24秒、SC-T5455はA0サイズで約36秒の高速プリントととなった。
CAD用途としては、高い線画品質を実現し、ラウンド線や斜め線のガタツキ、文字つぶれの無いはっきりとした線画を高速でプリントする。また、ノズル自己診断システムを備え、プリントヘッドのドット抜けをジョブごとに自動検知して画像を調整するため、高画質プリントを維持するだけでなく、プリントミスによる大量印刷時のムダが無くなる。
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