DJI JAPANは、55分間の飛行能力を備えた産業用ドローン「Matrice 300 RTK」と、ハイブリッドカメラ「Zenmuse H20シリーズ」の販売を開始した。
DJI JAPANは2020年5月14日、オンラインセミナーで、同年5月中旬に発売した産業用ドローン「Matrice 300 RTK」とハイブリッドカメラ「Zenmuse H20シリーズ」を紹介した。
Matrice 300 RTKは、高度なAI機能や6軸方向のセンシングとポジショニング技術、統合型UAV状態管理システム(UHMS)、さらに55分間の長時間飛行能力を備えたドローン。6軸方向のセンシングとポジショニング技術、水平方向に最大40メートルの検知範囲を実現し、専用アプリで機体の検知動作をカスタマイズするオプションも用意している。最大3つのジンバルカメラを積め、最大2.7キロの積載能力を持つ。
DJI JAPAN オフィシャルパイロット 中村桂晴氏は、「Matrice 300 RTKの有効飛行時間は、Zenmuse H20シリーズのH20Tを搭載した場合、36分となる」と話す。
UHMSは、機体のフライトデータを初回から全て記録し、ドローンのハードとソフトの両方から機体に関する情報を収集するため、将来的なメンテナンスの判断材料に生かせる。
機体は、コマンドやコントロールのアップリンクと、撮影した動画を送るダウンリンクで要するデータ送信を安全に行えるAES-256暗号化機能を内蔵し、保護等級IP45の耐候性筐体や自己発熱型バッテリーも有しているため、悪天候でも使える。「24時間100ミリの雨に耐えられる機体」(中村氏)。
「OcuSync Enterprise伝送システム」が組み込まれたプラットフォームは、3つのチャンネルで1080p動画伝送が行え、最大伝送距離は15キロ(日本での伝送距離は8キロ)に及ぶ。
さらに、Matrice 300 RTK専用の「デュアルオペレーターモード」は、マルチパイロット制御プロトコルで、Matrice 300 RTK操縦者が2人いた場合、各操縦者に飛行制御のコントロール権を与えられる。
操縦権の切り替えは、専用送信機(業務用)のアイコンをタッチすれば行え、片方の操縦者に問題が発生したり、送信機のバッテリー切れや接続不良が生じた場合は、もう1人の操縦者にMatrice 300 RTKと搭載したカメラのコントロール権が移行する。また、新しい操縦者を訓練する際に、教官と主操縦者が、必要に応じて、安全に飛行のコントロールを引き継げるため、ドローン操作を教えるのにも役立つ。
実装されたモニターシステム「Primary Flight Display(PFD)」は、現在の飛行情報と航行情報を1つのディスプレイに統合して表示する。高度や速度などの標準テレメトリーデータに加えて、飛行中に近くの障害物を視覚化する障害物データも提供するため、操縦者が飛行軌道を調整することが容易だ。
Matrice 300 RTKの急速充電バッテリーステーションは、充電と保管が行え、2つのバッテリーを70分以内で、フル充電する。機体のバッテリー「TB60」を8本、送信機のバッテリー「WB37」を4本収納。
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