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» 2020年04月16日 09時00分 公開

Amazonの「LEED」認証活用事例や建物向け環境評価システムの未来などバイオフィリックデザインの本質(1/3 ページ)

近年、大手ゼネコンが手掛けた物件で環境認証システム「LEED」や「WELL」を取得する動きが盛んだ。一方、不動産会社では、自社のオフィスに職場環境を緑化する「バイオフィリックデザイン」などを採用し、従業員の生産性向上を図っている。今回、建設や不動産業界で関心を集めるLEEDやWELL、バイオフィリックデザインの最新動向が紹介されたセミナーをお届けする。

[遠藤和宏,BUILT]

 パソナ・パナソニック ビジネスサービスは2020年2月27日、都内で、セミナー「バイオフィリックデザインの本質」を開催した。

 当日の演目のうち、ヴォンエルフ 代表取締役社長 平松宏城氏が行った講演「建物、街区(まち)、都市という空間の更新を“ひと”中心で進めるときのバイオフィリック・デザイン。その成果を測り、インパクトを検証するためのArc」を取り上げる。

LEEDは登録件数10万超え

ヴォンエルフ 代表取締役社長 平松宏城氏

 国連は2015年9月、ニューヨークの本部で開催したサミットで「SDGs(持続可能な開発目標)」を選定し、同年12月にパリで開かれた「国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)」で温室効果ガスの排出目標を実質ゼロにすることを目指した「パリ協約」を採択した。以降、世界中でESG(Environment、Social、Governance)投資が活発化し、建物や街、都市などで、環境に配慮した取り組みが進められている。

 建物などの環境評価ツールとして役立っているのが、環境評価認証システムの「LEED」や「WELL」などだ。LEEDは、米非営利団体U.S. Green Buildingが2000年に開発し、米Green Business Certificationgaが運営しており、新築の建物における設計や建設、既存ビルの運用管理、エリア開発、新設と既存の都市や街区などを対象に、環境対策を評する。

 2015年11時点の登録件数(認証と申請中)が世界全体で、10万600件に達しており、認証件数は4万6900件に及び、世界175カ国で登録実績を有している。「日本では現在、登録件数が約260件で、認証は約160件だ」(平松氏)。

LEEDの登録件数の状況

 昨今、LEEDは、新設と既存の都市やコミュニティーを評価する事例が増えている。都市を査定する場合、「エネルギー」「水」「廃棄物」「交通」「ひと」の5カテゴリーと、14の指標で価値判断をする。Amazonは第2本社を配置した米アーリントン群の都市に、LEEDを導入し、都市とともに同社の環境対応が評価可能な体制を作り上げている。国内では、北海道の札幌市がLEEDを採用し、既存の都市としては、東アジアで初めて、プラチナ認証を取得した。平松氏は「札幌市は、2030年に予定している新幹線の開通と、訪日観光客の増加を目的にLEEDを取り入れたと聞いている」と話す。

新設と既存の都市におけるLEEDのチェック項目
AmazonがLEEDを導入したアーリントン群の都市
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