建設技術者の仕事への満足度と転職意識に関するアンケート調査の結果vol.2建設業の人材動向レポート(19)(1/2 ページ)

本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向をさまざまな観点からレポートしている。今回は、2020年1月に総研が実施した「建設技術者の仕事への満足度と転職意識に関するアンケート調査」から、定年年齢や定年後の働き方についての調査結果を紹介する。

» 2020年03月31日 10時00分 公開

 高年齢者雇用安定法の改正案で、70歳までの就業機会確保が企業の努力目標にされるなど、70歳現役社会に向けて法整備が進み始めた。

 今回は、このような70歳定年制に向かう雇用環境の変化の中、建設技術者は定年年齢や定年後の働き方についてどのように感じているのかについて、2020年1月にヒューマンタッチが実施した「建設技術者の仕事への満足度と転職意識に関するアンケート調査」からご紹介する。

■約4割の建設技術者が70歳以上まで働く意欲を持つ

 「あなたは何歳まで働きたいと思いますか?」という質問に対する回答を見ると、最も比率が高いのは65歳の35.1%、次いで70歳が23.4%となった(図表1)。70歳を含めて、70歳以上まで働きたいと思っている人を合計すると38.3%になり、4割近い建設技術者が70歳以上まで働く意欲を持っていることが分かる。

【図表1 あなたは何歳まで働きたいと思いますか?】 出典:ヒューマンタッチ総研

■60歳代では7割が70歳以上まで働く意欲を持つ

 次に、年齢層別で「70歳以上まで働きたい」と回答した人の比率を見ると、60歳代では71.8%に達し、50歳代でも47.2%となっており、70歳以上まで働く意欲を持っている人の比率は非常に高い。一方、20歳代では16.7%、30歳代では28.9%となり、70歳以上まで働きたい人の比率は低くなる傾向が表れた。

【図表2 「70歳以上まで働きたい」と回答した人の比率(年齢層別)】 出典:ヒューマンタッチ総研

■定年後は転職して違う会社で働きたいと考える人が約2割

 次に、「あなたは定年後どのような働き方をしたいですか?」という質問に対する回答結果を見ると、「今の会社で働き続ける」が29.0%で最も多く、次点で「転職して違う会社で働く」が21.5%、「アルバイトなどで自由に働く」が18.5%となった(図表3)

【図表3 「あなたは定年後どのような働き方をしたいですか?」】 出典:ヒューマンタッチ総研

■60歳代では約4割が転職して違う会社で働きたいと考えている

 「転職して違う会社で働く」と回答した人の比率を年齢層別に見ると、60歳代では43.6%に到達しており、転職して別の会社で働きたいと考える人の比率が非常に高くなっていることが分かる(図表4)。この背景には、現在の会社の再雇用後の待遇などへの不満があるのではないかと思われる。

【図表4 年齢層別の「転職して違う会社で働く」と回答した人の比率」】 出典:ヒューマンタッチ総研
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