安藤ハザマは、建築現場で下の階から2フロア上の階まで資材を運ぶ自昇降式の搬送装置を開発した。新装置の採用により、これまで3人必要だった型枠支保工の荷揚げが2人で済むようになる。
安藤ハザマと光洋機械産業は、コンクリートの型枠支保工などを仮設床の開口部から効率的に上階へ荷揚げする「自昇降式垂直搬送装置」を開発した。
新装置は、既製品のアルミ昇降式作業台をベースに改造した自昇降式の垂直搬送装置で、仮設床開口部などに設置して使用する。本体重量は200キロ程度で、専用車輪を取り付けているため、作業員1人で容易に移動させられ、一般的なRC造建築物の2フロア分程度、約7.5メートルの高さまでの荷揚げに応じる。
装置を設置する床の開口部には、仮設手すりと専用の開口蓋を整備することで、転落や飛来落下の防止対策を講じている。また、装置の支柱は、開口蓋と壁繋ぎを介して固定することで転倒を防ぐ。
また、資材を上階に揚げるだけでなく、仮設手すりを利用して装置自体を上げることや逆の手順で装置自体を下階に降ろすこともできる。
開発理由について、安藤ハザマは、建設現場の生産性向上による省人化・効率化が求められていることを踏まえ、特殊な専門技術を要しない資材運搬作業のうち、肉体的に負担の大きい「型枠支保工」の垂直移動に着目したとコメントしている。
新装置を採用することで、通常は3人必要な型枠支保工の荷揚げ作業が2人で行えるようになり、作業員1人が単位時間あたりに荷揚げする資材の量も最大35%向上し、生産性向上に寄与する。同時に、床開口部での上下作業が削減されるため、作業員の安全確保と、肉体的な疲労の大幅減につながる。
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