大成建設が開発した50gの「くるくるメジャー」、一般向け販売も製品動向

大成建設は、小型かつ軽量の汎用型スチールメジャー「くるくるメジャー」を開発した。

» 2020年01月20日 05時00分 公開
[BUILT]

 大成建設は、新潟精機と共同で、建設工事での計測作業に適した小型・最軽量の汎用型スチールメジャー「くるくるメジャー」を開発した。

現場での持ち運びや計測時に扱いやすいメジャー

「くるくるメジャー」のカラーラインアップ 出典:大成建設

 建設現場では、日常的にコンベックスや巻尺などの市販メジャーを使用しているが、大型や手のひらサイズでも重量のある場合が多く、現場での持ち運びや計測作業時に扱いにくい状況が生じることから、より小型で軽量な取り扱いが容易なメジャーへのニーズがあった。

 また、配筋など現場内の施工状況を撮影する際は、鉄筋に沿わせたメジャーを安定して固定できないことや目盛が確認しにくいなど、視認性が十分ではないという問題点あった。

 大成建設と新潟精機が開発したくるくるメジャーは、コンベックスなどの市販メジャーに比べ小型かつ軽量で、汎用性も有する。このメジャーは、取り扱いが容易で、本体の伸長固定方法や計測対象物への取り付け方法、目盛の視認性などの使いやすさに工夫を凝らしている。そのため、計測に関する複数用途に利用でき、現場での採寸、墨出し時の計測や撮影の効率化につながるツールとして利用拡大が期待されている。

 主な特長としては、市販メジャーに付属している収納ケースを無くして、メジャー本体と簡易なスライドパーツの手動収納を採用。従来品が重さ約300〜400グラムだったのに対し、約3分の1以下となる約50グラムとなった。

上が一般的なコンベックス、下が「くるくるメジャー」の試作品 出典:大成建設

 メジャー本体は、通常は丸めて収納し、計測時には2つのスライドパーツに挟まれた区間を伸長させ固定させることが可能になった。スライドパーツは、計測長に合わせて任意の位置に動かせ、さらにスライドパーツ裏面に設置されたマグネットを用いて鉄筋などの計測物に直接取り付けられる。例えば、メジャー2台を十字に組み合わせ、配筋写真撮影時のクロス式ロッドとしての使用などにも使える。

クロスロッドの代替事例(くるくるメジャーを利用したケース) 出典:大成建設
クロスロッドの代替事例(従来方法) 出典:大成建設

 視認性では、工事記録用に撮影した写真上で寸法確認がし易いように、10センチ単位で紅白に彩色した「目盛数字」と、1ミリ単位の見やすい「目盛」をメジャー本体の両面に表示している。

視認性の高い目盛 出典:大成建設

 価格は、スライドパーツやメジャー部分の構造をシンプルし、製造コストを抑え、計測長2メートルタイプの販売価格は、コンベックスなど市販メジャーの約5分の1前後の価格帯になるという。

 今後は、用途に応じて、長さや幅などの異なるさまざまなタイプの製品ラインアップを拡充させ、新潟精機を販売代理店として一般向けにも、「スパイラルメジャー」の名称で販売していく。

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