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» 2019年10月09日 06時00分 公開

プロジェクト:「旧九段会館」建て替え、AIカメラで次世代のセキュリティ実装

東急不動産と鹿島建設が出資した事業会社ノーヴェグランデは、東京都千代田区九段南の旧九段会館の建て替え工事に着手したことを明らかにした。歴史的建造物の旧九段会館を一部保存しながら、17階建てオフィスビルを新築する。新設するビルでは、働き方改革に応じた多様なオフィスを提供する他、制震構造やAIカメラの導入による安心・安全の確保、企業の健康経営やダイバーシティーについてもビル全体でサポートするという。

[BUILT]

 東急不動産と鹿島建設が出資するノーヴェグランデは、「(仮称)九段南一丁目プロジェクト」の2022年7月の竣工を目指し、新築工事を進めている。

多様なワークスタイルに応じるオフィスを提供

 プロジェクトは、1934年に完成した旧九段会館を一部保存しながら、建て替えを行う。開発コンセプトは「水辺に咲くレトロモダン」で、オフィスを中心とした高度利用を一体的に図り、歴史的価値のある建造物を生かしながら、新たな価値を付加し、賑(にぎ)わいのある空間を整備する。ビルの規模はS造(CFT造)/RC造/SRC造、地下3階・地上17階(高さ約74.9メートル)建て、延べ床面積は約6万7738平方メートル。設計は鹿島・梓JV、施工は鹿島建設で、完成は2022年7月の予定。

田安門側から物件を臨むイメージ(左)、メインエントランスイメージ(右) 出典:東急不動産、鹿島建設

 17階建てのオフィス部分には、濠に面する基準階約750坪のオフィスフロアを整備する。保存部分は、創建時の姿を保存・復原し、内装にも当時の意匠を引き込むことで、登録有形文化財に登録されている保存建築の中で働くことができる格式高い小割オフィスとする。1階には会員制のシェアオフィスを置き、多様な働き方に対応する他、宴会場として利用されていた「真珠」「鳳凰」は、内装も創建時の姿に戻し、一般利用が可能なカンファレンス施設とする。

 さらに、働き方改革の下支えとなり、企業の課題でもある健康経営をサポートするため、ランニングステーション、仮眠室、菜園に加え、各種健康サポートイベントの開催などにより、入居テナントの「健康経営」に寄与するサービスを提供する。ダイバーシティーへの取り組みの一環では、礼拝室やオールジェンダートイレも計画されている。

 また、安心・安全面では、最先端のAIカメラ技術を採用し、次世代のセキュリティシステムを実装する。保存部分には免震構造、新築部分は制震構造をそれぞれ導入し、5日分の電力供給が可能な非常用発電機の設置、防災備蓄倉庫の設置など、非常時にも安全性を有するオフィスを目指す。

濠沿いテラスイメージ(左)、屋上庭園イメージ(右) 出典:東急不動産、鹿島建設

 新築部分全てのフロアからは、濠や皇居外苑の四季が楽しめるように開放的な窓面を計画。保存部分の屋上には、ラウンジや自然を感じられる庭園も設置する。

 旧九段会館は、城郭風の塔屋を備えた帝冠様式の威風堂々とした外観やアール・デコの装飾など、九段下の街路景観の象徴的存在であることが認められ、2019年9月に登録有形文化財に登録されている。

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