橋梁や高速の内部構造を3D仮想図で見える化した保全技術教育の支援ツール「PRETES-e」空間情報シンポジウム2019(2/3 ページ)

» 2019年08月27日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

仮想図の鉄筋形状の変更でデータ量を削減

 セミナー中盤では、PRETES開発で直面した課題や教育支援ツールとして利用した経緯について説明された。

 PRETESを開発するにあたり、橋梁などの大規模な構造物に対して3D仮想図を重畳することと、複雑な内部構造の3D仮想図でも分かりやすく、高視認性を有した仕様とすることが課題となった。

距離をとり、HoloLensの視野角内で全体を認識することで、現実の構造物と3D仮想図の融合精度を向上

 前者に関して、石黒氏は、「当初、大きな建造物に対して、3D仮想図を重ねるのが難しかった。この課題を解決するために、HoloLensで、対象物と距離をとり、より全体が視野角内に収まるようにし、特徴点にひも付く多くの形状を認識させるとともに、位置の調整方法や基準点の配置などを現地で繰り返し検証した。

 結果として、空間位置調整を基本としていた従来の方法に、現実の空間情報を認識させ地形を読み込む手法をプラスした上、利用者の体勢に関わらず基準点から水平を保つ画像投影機能も搭載し、現場でシステムを少し整えるだけで、大規模な構造物へ仮想図を高精度で融合することに成功した」と語った。

仮想図は、データ量が増加することで、視認パフォーマンスが下がるため、鉄筋を6角形とし情報量を削減

データ量を下げつつ、視認性を高める方法とは?

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