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» 2019年08月19日 07時00分 公開

メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2019:中部地整管内でICT土工が効果を発揮、作業時間を大幅削減 (1/2)

名古屋工業大学 名誉教授の山本幸司氏は、建設ICTに関する国土交通省や中部地方整備局の取り組みを紹介し、建設ICTの有用性を普及している。

[遠藤和宏,BUILT]

 名古屋工業大学 名誉教授の山本幸司氏は2019年7月24日、「メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2019」(会期:2019年7月24〜26日、東京ビッグサイト)で、「建設ICTの現状と展望」と題した講演を行った。国土交通省と中部地方整備局のこれまでの建設ICTに関する取り組みやICTを土工へさらに普及するための課題について紹介した。

中部地整管内でICT土工は拡大傾向

名古屋工業大学 名誉教授の山本幸司氏

 建設ICTは、調査・設計・施工・管理・維持修繕という一連のシステムで、効率化・高度化といった生産性向上に寄与する情報通信技術やこのテクノロジーを活用した仕組み。

 中部地整は2008年11月、各地整に先行して178者で建設ICT導入研究会を設立した。現在は建設ICT導入普及研究会と改称し、440者で運営している。

 国土交通省は2015年12月、ICT建設技術や3次元データ、CIMといったテクノロジーを活用し、現場の効率を上げる取り組み「i-Construction(アイ・コンストラクション)」を開始し、技術労働者1人当たりの生産性を5割アップさせることを目標に据えた。

 i-Constructionのトップランナー施策として、ICTの全面的な活用を目指したICT土工やコンクリート工規格の標準化といった全体最適の導入、施工時期の標準化などが掲げられた。

中部地整管内のICT活用工事の展開

 セミナー中盤には、中部地整のICT活用工事の展開に触れた。中部地整管内で2019年3月末までに発注したICT活用工事は336件、経験した企業数は165社で、2016年度と比較して2倍に増加した。

 1企業当たりのICT土工受注回数は、複数回の企業は全体の50%となる83社で2017年度末からの1年間で10%増え、5回以上の企業はこの1年間で6社から14社に倍増している。

 山本氏は、「ICT土工を行った企業の中には、期待していた成果を得られず、再度挑戦することをためらうケースもある。こういった状況を解決する施策として、中部地整ではICTアドバイザー制度を設けている。この制度は、発注者である自治体や特殊法人、受注者の地元建設会社が、ICT土工を複数回経験した建設企業などのICTアドバイザーから技術習得や能力向上のアドバイスを受けられる仕組み」とコメントした。

ICTアドバイザー制度
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