“小規模橋梁”の維持補修でコスト15%減と工期半減の「AOS工法」、タカミヤが本格展開維持管理

» 2019年07月26日 09時28分 公開
[BUILT]

 仮設機材の開発・製造・販売・レンタルを行うタカミヤは、小規模橋梁(きょうりょう)の維持補修工事で採用され、高評価を得ている「AOS工法(ARCHIST ONEPIECE-GEL SYSTEM工法)」の総販売代理店として、資材の供給をスタートさせる。

約54万橋のメンテナンス市場をターゲットに見込む

 AOS工法は、リノブリッジが開発したシステムで、小規模橋梁の伸縮装置工事と橋面防水工事を一体化して行う工法。アスファルト乳剤の同系材料を使用することで、伸縮材と防水材が一体となり、施工期間と養生時間が短縮される。トータルの工期が短くなり、防水性の弱点となる伸縮装置と床版防水の各施工部の継ぎ目がなくなるため、施工品質も向上する。

AOS工法 出典:タカミヤ
構成断面 出典:タカミヤ

 AOS工法と従来技術との比較では、コスト面で15.24%の削減が見込め、工期は4日から2日へと半減。高温溶解した防水アスファルト材料の取り扱いが不要なため、作業員の安全性が確保される他、伸縮装置設置用のアンカー打設や鉄筋溶接などの複雑な施工も要らないため、施工性も容易になる。

 さらに工事現場の周辺環境へも、アスファルト溶融釜やトラックレーンといった重機を必要としないので、悪臭・騒音による影響が改善される。

AOS工法と従来技術との比較 出典:タカミヤ

 同工法は2017年8月には、国土交通省の「NETIS(公共工事などにおける新技術情報システム)」に登録された。

 国内には約73万橋の橋梁が存在するといわれるが、このうち橋長15メートル未満の小規模橋梁は約54万橋。2014年から橋長2メートル以上の橋梁を対象に、5年に1回の点検が義務化されたことを受け、これから老朽化していく小規模橋梁のインフラメンテナンス市場は拡大することが見込まれる。この需要の受け皿としてタカミヤは、建設用仮設機材の販売・レンタル事業で培ったノウハウを生かし、AOS工法の普及と資材の安定供給体制の構築を進め、リノブリッジと共同で、小規模橋梁メンテナンス事業へ参画していくという。

国内に約54万橋あるとされる橋長15メートル未満の小規模橋梁 出典:タカミヤ

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