帝国データバンクは、主要上場建設会社58社の2018年度の受注・業績動向を公表した。2018年度は、官公庁工事の注文が減少したが、首都圏を中心とした再開発案件といった民間需要が拡大し、多くのゼネコンが好調な業績となった。
帝国データバンクは2019年6月25日、主要上場建設会社58社の2018年度の受注・業績動向を公表した。
主要上場建設会社のうち48社の2018年年度の受注高合計は、2017年度比8.6%増の14兆4123億6300万円となった。
2018年度第2四半期時点では、2017年同期比で4.9%減と伸び幅が鈍化していたが、首都圏を中心とした再開発案件などの民間需要が拡大し、通年では大幅に伸長した。
受注高の伸び率で第1位は、土木工事で受注金額を伸ばした徳倉建設で、2017年度比83.4%増となった。次点は、土木・建築共に過去最高の受注額となった三井住友建設で同比60.9%増の値を示し、次に、東亜建設工業の同比47.3%増が続いた。
一方、減少率が最も大きかったのは五洋建設で、2017年度に海外での大型工事を受注した影響を受け、反動減となり2017年度比25%減となった。続いて、巴コーポレーションの同比17.1%減、大末建設の同比12.9%が後ろに並ぶ。スーパーゼネコンでは、大成建設のみが土木工事の受注減から同比5.7%の減少となっている。
工事受注高の内訳が判明している32社の状況を見ると、官公庁工事の受注高は、2017年度比0.6%減の2兆5221億5000万円となった。東京五輪関連の再開発事業が、発注面で絶頂期を過ぎたことを背景に、2年連続で受注高は低減した。
大成建設を除く上場スーパーゼネコンの多くが、大幅受注減となった一方で、準大手以下は大半が受注を伸ばした。
民間工事の受注高は、2017年度比14.3%増の8兆3791億5700万円。2012年度以降7年連続で増加傾向が続く中、近年は伸び率が停滞していたが、2018年度は過去10年で最大の伸長となった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.